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石原伸晃衆院議員元秘書の都議が政治資金収支報告書に虚偽記載か

2017年5月10日12:21PM

石原伸晃衆議院議員の元秘書の小宮あんり自民党東京都議会議員(杉並選挙区)が代表を務める政党支部の政治資金処理に重大な矛盾がみつかった。

問題が発覚したのは東京都選挙管理委員会に届け出がされている政治団体「自民党東京都杉並区第2支部」(小宮あんり代表、鵜飼貢次会計責任者)の2015年度分政治資金収支報告書。15年4月に行なわれた杉並区議会議員選挙の自民党公認候補に支出した寄付計75万円が記載されていない。

15年4月の杉並区議会議員選挙では、自民党公認で15人が立候補、うち13人が当選したが、その際、立候補に先立ってひとりあたり計70万円前後の寄付が、「公認料」や「陣中見舞」名目で複数の自民党支部から払われた。その旨、杉並区選挙管理委員会が保管する各候補の選挙運動費用等収支報告書に記録されている。

同報告書によれば、公認料などを出したのは「自民党東京都支部連合会」「自民党衆議院第8選挙区支部」「自民党杉並総支部」(いずれも石原伸晃代表)、「自民党東京都杉並区第22支部」(早坂義弘代表)、そして小宮都議の「第2支部」の5団体。第2支部からは、15候補に対して各5万円、計75万円の「陣中見舞」が払われたとある。

ところが「第2支部」が東京都選管に出した政治資金収支報告書をみると、この「75万円」の支出がいっさい書かれていない。政治資金規正法は収支報告書の不実記載または虚偽記載を禁止しており、5年以下の禁錮または100万円以下の罰金という罰則もある。

一方、杉並区議会では、本来政治的目的に使うことはできない政務活動費(年間上限192万円)を選挙準備などに流用している疑いが、自民党議員をはじめとする多くの議員について持たれており、返還を求める住民訴訟が東京地裁で係争中だ。

石原伸晃氏や小宮都議、早坂都議が演説を行なう政治色濃厚な「区政報告会」の経費を政務活動費から払うといったことが横行、自民党議員のモラルの低下は目を覆うばかりだ。

取材に対して、小宮あんり事務所は4月18日、「計上すべき支出が落ちていた」として訂正する旨、回答した。

(三宅勝久・ジャーナリスト、4月21日号)

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