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学費補助が留保中の神奈川朝鮮中高級学校で修了式 学生の声は?

2017年4月13日11:12AM

3月24日、神奈川県朝鮮中高級学校(横浜市)修了式で挨拶する成田俊一氏。(撮影/野中大樹)

神奈川県の黒岩祐治知事が朝鮮学校に通う生徒への学費補助を留保して約5カ月がたった3月24日、神奈川朝鮮中高級学校(横浜市)では修了式が行なわれた。

成績優秀生や皆勤賞、英語検定や漢字検定合格者の名前が一人ひとり読み上げられ、呼ばれた生徒は返事をして立ち上がる。なかには感極まってガッツポーズをきめ笑いを誘う生徒も。

この日はゲストとして、小誌2月24日号で同校に通う生徒の訴えを記事にしたジャーナリストの成田俊一氏が挨拶した。

「今日は、皆さんのわきあいあいとした姿を見ることができ、とても嬉しい。私の記事を読んだある会社の社長が感動し、ぜひ何かに用立ててほしいということで寄付金を預かってきました」

金龍権校長に寄付金を渡した成田氏は、話をこう締めくくった。

「日本政府の圧力で皆さんの教育環境は厳しくなる一方だけれど、日本には皆さんに協力したいという人もいる。そのことを忘れないで、頑張って下さい」

式では、茨城朝鮮初中高級学校の生徒たちが修学旅行で朝鮮民主主義人民共和国を訪れる姿を追ったドキュメンタリー映画『蒼のシンフォニー』(2016年公開)の朴英二監督が、米国での上映会の様子を生徒たちに報告した。

式後、生徒会副会長の辛梨奈さん(17歳)は「最上級生になった。自分たちの言動が学校の顔になる。みんなを引っ張っていきたい」と意気込みを語った。同副会長の車世鎮さん(同)は「人数が減り、これまで同胞社会だけでできたことができなくなりつつある。自分たちの世代は柔軟性をもち、学校や朝鮮総聯の組織をも変えていけるよう努力したい」。会長の申舜大さん(同)は「高校無償化など譲れないものもあるが、柔軟にならなければならない部分もある。日本の方々と一緒に頑張っていきたい」と思いを述べた。

(野中大樹・編集部、3月31日号)

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