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パリ協定第1回会議報告――日本への批判高まる

今年、北極の氷が過去最少となり、地球温暖化の進行は明らかだ。史上初すべての国が参加する地球温暖化に対する国際的枠組みを決めるパリ協定の第1回会議が11月モロッコで行なわれた。日本は先進国で唯一のオブザーバー参加。一体現地ではどんな話がされていたのか。日本の外交、企業の経営活動にどんな影響をもたらすのか。ワールドウォッチ研究所と市民団体との共催で、パリ協定の意味を問う院内集会が、12月8日衆議院第2議員会館で行なわれ、福山哲郎(民進)、吉川はじめ(社民)議員のほか、現地を訪ねた武田良介(共産)秘書など超党派の議員やメディア関係者が集まった。

現地取材した井田徹治共同通信編集委員は、「ジャパンパッシング(無視)が深刻」として「私は90年代から環境の国際会議に参加していますが、今回は日本の代表団の発表を聞いていたのは数人。中国の発表団には黒山の人だかりですから、いかに日本への注目が下がっているかがわかります。日本に対しては環境NPO団体から化石燃料に依存する国という不名誉な賞をもらったぐらいしか話題がありませんでした」と語った。

パリ協定で決めた産業革命以降平均気温上昇2度未満を目標にする合意を実現するためには、石炭石油の8割は燃やせないが、日本は脱炭素化の流れに逆行。安倍政権は石炭火力発電所を原発20基分建設計画する。世界的に石炭事業に対する投融資の撤退(ダイベストメント)が進む中、丸紅が765億円で買収したカナダの石炭鉱山を110円で売却するなど、大手商社が損失を出している。

90年から環境問題に取り組み、欧米9都市を取材した環境ジャーナリストの村田佳壽子さんは「パリでは2020年までにすべてのディーゼル車を廃止し、イタリアのロンバルディア州では公共バスの4分の3が天然ガスにするなどの転換が行なわれている。地球温暖化は経済の問題でもある。日本社会も転換しなければ」と語った。

(増山麗奈・ジャーナリスト、12月23日号)