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貧困による子どもの健康格差、数字で明示

シンポの討論に臨む、左から和田、近藤、五十嵐の3医師。(写真/小宮純一)

シンポの討論に臨む、左から和田、近藤、五十嵐の3医師。(写真/小宮純一)

12月4日、第2回「貧困と子どもの健康シンポジウム」が東京・文京区の東京大学医学部で開かれ、医師、学生、市民ら約180人が参加した。健和会病院(長野県・飯田市)副院長で小児科医の和田浩さん(60歳)が中心となって企画している。

午後からのシンポジウム「小児科学は子どもの貧困にどう取り組むか」では、五十嵐隆さん(前小児科学会会長)、近藤克則さん(千葉大学予防医学センター教授)ら3氏が、貧困が子どもの健康に及ぼす影響や、それが数十年後の高齢期にも影響することをさまざまなデータで「根拠」として実証的に示した。

特に、今年9月にNHKスペシャル「健康格差」に出演、大きな反響を呼んだ近藤さんは、閉じこもり高齢者、男性の糖尿病罹患率、新生児の低出生時体重、妊婦の疾病率、うつ症状の発症相対リスクなどの指標と貧困状態には明らかな相関関係があることを数字で明示した。

その上で、近藤さんは、「疾患の研究と同様に、貧困と健康格差、社会的排除の研究も、症候学→病理診断→治療というプロセスで進む。さらに研究を進め、治療方法=解決・援助のための提言、施策につなげる戦略を、いわば“処方箋”として社会的に示す責任が医学にはある」と訴えた。

(小宮純一・ジャーナリスト、12月16日号)