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術後の猥褻行為容疑――「不当逮捕」の署名2万筆

2016年11月16日10:12AM

向かって右端が佐藤一樹医師、真ん中が鶴田幸男会長。(撮影/樫田秀樹)

向かって右端が佐藤一樹医師、真ん中が鶴田幸男会長。(撮影/樫田秀樹)

8月25日、柳原病院(東京都足立区)の乳腺外科専門医A氏が突然警察に逮捕された。9月14日に起訴が決まり、東京拘置所に勾留されている。容疑は、全身麻酔で乳腺腫瘍摘出術を受けた患者Bさんの乳首を術後に17分間舐めたということだ。訴えたのはBさんだが、柳原病院は不当逮捕だとして、早期釈放を訴える署名活動を行なっている。

その行為が行なわれたと主張する時間帯は、手術直後の全身麻酔による「せん妄」状態(幻覚を見やすくなる)が続いているときだ。しかも、術後Bさんは4人部屋に移されたから、他の患者もいれば、術後処置で医師や看護師が頻繁に出入りしていた。そういう状態でのわいせつ行為は可能か。せん妄状態における性的幻覚に違いないと病院は訴えている。

千住警察署はBさんの訴えを受理し捜査を開始。A医師は任意取り調べが一切ないまま、8月25日、突然現れた刑事に逮捕されたのだ。

10月14日。東京都の医師が所属する「東京保険医協会」が、東京地裁の司法記者クラブでA医師の早期釈放を要求する記者会見を開いた。同協会勤務医委員会担当理事の佐藤一樹医師は訴えた。

「『勾留の理由がない』ことを訴えたい。警察が107日間も捜査しての逮捕なら、必要な捜査は終了したはず。証拠隠滅の恐れで保釈できないと言うが、どんな証拠隠滅が可能かの根拠も存在しません」

佐藤医師は10月12日、A医師と接見したが、A医師は「なぜ私がこのようなところにいなくてはならないのか?」と精神疲労をにじませていたという。

同じく記者会見に臨んだ鶴田幸男会長は「このままの理由なき勾留は、類似の医療行為や類似の薬品を扱う医師を萎縮させ、国民の司法不信を助長する」と主張した。

病院は10月20日、2万筆以上の署名を東京地裁に提出。だがまだ医師釈放の動きはない。

(樫田秀樹・ジャーナリスト、11月4日号)

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