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舛添都知事、“政治資金疑惑”で不自然な言い訳――家族旅行なのに「会議」とは

2016年5月31日10:13AM

5月13日、東京都庁(新宿区)で記者会見する舛添要一都知事。(撮影/及川健二)

5月13日、東京都庁(新宿区)で記者会見する舛添要一都知事。(撮影/及川健二)

舛添要一東京都知事が政治資金の私的流用疑惑を弁明するため、5月13日、都庁で定例会見を開いた。余裕があるように見せるためか、終始、作り笑いを浮かべた。

千葉県木更津市の龍宮城スパホテル三日月に、2013年1月3日に会議費として23万7755円、14年1月2日にも13万3345円を支出していたが、それらが家族旅行の宿泊代だったことを認め、「家族と宿泊した客室で事務所関係者らと緊急かつ重要な会議をした。これは政治活動だ」と説明した。誤解を招いたとして、政治資金収支報告書を訂正し、返金すると明言したものの、記者から何度も「会議は誰と何人で、何時間行なったのか」と質問されても、「非常に政治的な機微に関わることで、相手方のプライバシーもあるので、お答えを差し控えさせてほしい」と繰り返し、会議の詳細を明らかにすることを拒絶した。

何故あえて正月に家族と宿泊している施設で会議を行なう必要があったのか。13年の支出については前年12月に総選挙があり、「いろんな意味で敗戦処理をしなければいけない」と述べ、14年の支出については都知事選の対応を話し合ったとして「ものすごく緊急かつ重要な案件」だったと説明した。

辞任の有無について問われると、「できる限りの説明責任は果たした。批判を受け止めて反省すべきは反省し、全力を挙げて都民のために働く」と辞職を否定した。

舛添氏の会見後、同氏のリコール運動を始めているマック赤坂氏は会見場前で報道陣に「舛添氏は立候補の段階で、有権者を裏切り、罪を犯していたことになる。ルールを守らず、モラルもない。同じ都知事選を戦った立候補者も裏切ったことになる」「報告書の訂正で終わる話ではない。私は舛添氏を許さない」と怒りを露わにし、今後も辞任を求めて街頭活動を続けると発言した。

(及川健二・日仏共同テレビ局France10記者、5月20日号)

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