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福島原発訴訟全国連が結成――1万人の原告が団結

2016年3月1日10:12AM

全国の原発訴訟団約1万人の代表を結集し連帯と団結を誓った結成集会。(写真撮影/片岡伸行)

全国の原発訴訟団約1万人の代表を結集し連帯と団結を誓った結成集会。(写真撮影/片岡伸行)

「被災者を分断、差別し、切り捨てる政策を国と東電がグルになってやっている。安全神話と札束で抑え込んできたかつての手法と同じだ」――。開会あいさつで福島原発避難者訴訟原告団長・早川篤雄さんは悔しさと怒りをあらわにした。東京電力福島第一原発事故から5年。全国各地でばらばらに闘ってきた訴訟原告団が2月13日、東京都内で「原発被害者訴訟原告団全国連絡会」(略称・原発訴訟全国連)を結成、責任回避を続ける国と東電への包囲網を強める。

原発事故によって福島県からは現在も約10万人が県内外に避難。県外避難者は4万人を超えている。故郷と人生を奪われた被害者たちは避難先の全国各地で損害賠償訴訟を起こしているが、この日の結成集会には26訴訟のうち21訴訟の原告団9645人の代表らが出席。200人近くが全国から駆けつけ、会場となった東京労働会館ラパスホールは熱気に包まれた。

各地からの被害の訴えでは、「5年が経過する中、ますます苦しみの度合いは強くなっている」(生業を返せ、地域を返せ! 訴訟・中島孝さん)、「危険を感じたら逃げる。その当然のこと(避難の権利)を裁判を起こしてまで訴えなければならないのか」(関西訴訟・森松明希子さん)、「誰も原発事故の責任をとらず再稼働そして輸出、住宅支援打ち切り、フレコンバッグの所へ帰れと言う。あげく、1ミリシーベルト根拠なし(丸川珠代環境相発言)。どこまでわれわれを侮辱するのか」(かながわ訴訟・村田弘さん)など、怒りと苦悩の声が相次いだ。

集会では、連帯して国と東電の法的責任を追及し被害回復と賠償を求める―などの活動方針と結成宣言、6人の共同代表を承認。弁護団を代表し米倉勉弁護士は「被害者同士が分断され、対立させられる構図は多くの公害事件で共通している。それで一番助かるのは加害者」と指摘し、1万人の団結で裁判を勝ち抜こうと呼びかけた。

(片岡伸行・編集部、2月19日号)

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