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旧日本軍「慰安婦」問題の「合意」に韓日連帯し抗議――「少女像」の前で謝罪を

2016年1月26日10:49AM

1月6日、在韓日本大使館前。少女像の背には「私はここを動きたくない。世界女性のみなさん、私の恨(ハン)を解いてください」などと書かれている。(撮影/冨田きよむ)

1月6日、在韓日本大使館前。少女像の背には「私はここを動きたくない。世界女性のみなさん、私の恨(ハン)を解いてください」などと書かれている。(撮影/冨田きよむ)

「被害者の気持ちを無視して米国の要請で日韓政府だけで決めるのは間違っている」

男子学生が怒りの声をあげる。

1月6日、1992以来24周年の水曜集会(日本軍「慰安婦」問題解決全国行動)が韓国・ソウル日本大使館前で開かれ、約1000人が参加した。ベビーカーを押す若いお母さん、子ども連れの若夫妻、高校生や大学生など、幅広い年齢層が集まった。

会場の気温は0度。早朝から7人の学生たちは日本大使館前の少女像の脇で毛布に包まっていた。像を守るのと、訪れる市民に解説をするのが目的。女子学生の一人は、「私たち自身、元『従軍慰安婦』女性の気持ち、立場を全く気にも留めていなかったことが悔やまれます」と涙ぐむ。別の女子学生は「自分の身に起こったことではないけれど、見過ごすことはできない」と唇を震わせる。安倍晋三首相が「今回の合意を破れば韓国は国際社会の一員として終わる」「これ以上は謝罪はしない」と述べたことに対して参加者たちは「被害者が納得できるような謝罪をしろ!」と厳しく糾弾する。

集会で元「慰安婦」の一人は、「安倍首相は“敵”だし憎いが、一度でいいから少女像の前で、申し訳なかったと言ってくれたら、総理の良心が見えるし少しは心が休まる」と述べた。

【「苦しく、悲しい」】

一方、同日、日本の首相官邸前では、寒空の下、韓国からの水曜集会・世界同時連帯行動の呼びかけに呼応し、抗議デモが開かれた。

「本来、日韓が合意し、和解するのは喜ぶべきこと。でも、こんなに苦しく、悲しいのはなぜか」

茨城から参加した男性(50代)は、憤る。横浜在住の山下治子さん(79歳)は、「日本政府が『少女像』の撤去という条件を付けたといいますが、条件付きの謝罪がどこにあるのでしょうか。それなのに、この合意を『前進』と強調するマスコミもおかしい」と話す。

在韓日本大使館前に設置された「平和の碑(平和の少女像)」は、11年12月14日の第1000回水曜デモの際、市民によって建立された。昨年12月28日の日韓「合意」以降、「少女像」を毎日数百以上の人が訪れているという。

「少女像」(のパネル)を持参したのは、金優綺さん(31歳)と李杏理さん(29歳)。直前の外務省前「合意」反対デモを終えてから駆けつけた。「重大な戦争犯罪である日本軍性奴隷制の法的責任を否定した『合意』は、日本が植民地支配責任を果たさずにこの問題を葬ろうとしていることの表れで、許せない。日本の朝鮮植民地支配が原因で存在する在日朝鮮人への差別が克服されない問題も、根は同じです」と金さんは話した。

(取材/韓国=冨田きよむ・ジャーナリスト、日本=弓削田理絵〈編集部〉、1月15日号)

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