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県外避難者が批判――改定案は避難者切り捨て

東京都内で会見に臨む県外避難者や支援関係者ら。(7月29日。撮影/斉藤円華)

東京都内で会見に臨む県外避難者や支援関係者ら。(7月29日。撮影/斉藤円華)

東電原発事故にともなう「子ども・被災者支援法」(支援法)の基本方針で、国は福島県内に設けられた「支援対象地域」について「避難する状況にない」とする改定案を示している。これに対して県外に避難中の住民らは「避難者の切り捨てだ」などと反発。7月29日に東京都内で会見を行なった。

復興庁は7月10日、「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針の改定(案)」を公表した。この中で、現在県内浜通りと中通りの市町村に設定されている支援対象地域では、年間積算線量が20ミリシーベルトを大きく下回る、として「避難指示区域以外から避難する状況にはない」と明記。当面は支援対象地域を縮小しないものの、今後は「縮小および撤廃することが適当」としている。

しかし従来の基本方針では、避難基準である年間積算線量20ミリシーベルトを下回るが「一定の基準」以上の地域を支援対象地域とする。避難者や支援団体は、一定の基準があいまいなまま「避難は不要だ」とする改定案は支援法の趣旨に反すると批判している。

また、復興庁は住民の被曝量を測るものさしに「実効線量」を使う。これは空間線量率から屋内、屋外の線量などを試算したものの合計だ。しかし避難者らは、屋内線量の算出に用いる遮蔽係数「0・4」などを疑問視。

会見で、南相馬・避難勧奨地域の会の小澤洋一さんは「屋内であっても屋根や遠くからの放射線により、屋外より線量が高い場合がある」と指摘した。

そもそも基本方針の策定、および改定案には避難者の要望がまったくと言っていいほど反映されていない。避難者らは「年間1ミリシーベルト以上の地域」を支援対象地域とするよう訴え続けてきた。

福島市から京都に避難中の宇野朗子さんは「改定に民主的プロセスが全くない。嘘とごまかしで事を進めてはいけない」と訴えた。

(斉藤円華・ジャーナリスト、8月7日号)