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東アジアの平和を築くシンポ――首相の歴史認識がネック

やはり安倍晋三首相の歴史認識がネックとなるようだ。「東アジアの平和をどう築いていくか~日本、中国、米国、そして沖縄から戦後70年を問い直す」と題したシンポジウムが7月25日、東京都内の法政大学市ヶ谷キャンパスで開かれ、日・中・米・沖縄それぞれの視点から平和構築のための要点が語られた。法政大学沖縄文化研究所、日中友好協会、慶應義塾大学大西広研究室が共催した。

戦争法制の国会審議が続く中、法政大学の田中優子総長らは挨拶の中で、安倍政権の危険性と日本が岐路に立つ危うい情勢下で開かれるシンポの意義に触れた。

報告者は5人。最初に登壇した毛里和子早稲田大学名誉教授は戦後70年には先の戦争への「反省と謝罪が和解の前提」とし、「温家宝首相の訪日(07年4月)や98年の日韓共同宣言が和解の第一歩だった」と指摘。「第二歩へと踏み出す」ために次世代への期待をにじませた。中国社会科学院近代史研究所の歩平氏は、東アジアの平和共存のためには「国を超えた歴史認識への努力が必要」とし、日中韓3国の学者による「新しい東アジアの近現代史」の取り組みを紹介。「歴史を鏡とし未来に向かう」重要性を指摘した。笠原十九司都留文科大学名誉教授も安倍政権下で深刻化している歴史認識問題を具体的に挙げ、「戦争の歴史からいかに教訓を学び取るかが重要」とした。沖縄大学の新崎盛暉名誉教授は辺野古新基地建設をめぐる日米関係、尖閣諸島と日中対立を挙げて「国家を相対化する」ことが肝要とし、「辺野古の闘いは沖縄を軍事的な要石から平和と交流の要石に転換させるための自己決定権の行使だ」と述べた。

一方、マイケル・チュチェック上智大学非常勤教授は「覇権をめぐり対立する米中と日米関係」について、「ワシントンも何が米国の利益になるのか、現実と理想の間で揺れている」などと分析した。

(片岡伸行・編集部、7月31日号)