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山田元農水相、差止等訴訟へ――TPP妥結へ加速か

2015年5月28日9:55PM

山田正彦元農林水産大臣は4月24日、農協(JA)や医師会の関係者と衆議院第二議員会館前でのTPP(環太平洋戦略経済連携協定)反対の座り込みに参加、こう訴えた。「TPP交渉は最終段階。自民党筋から『日米合意の内容が決定済』と聞いています。合意内容は、牛肉の関税を4分の1に引下げて9%、豚肉は従来の10分の1、米は10万トンの受入枠を確保した上で徐々に関税を引下げていくというものです」。

JA全中は4月23日にTPP反対集会を予定していたが、中止となった。「萬歳章JA全中会長が辞任表明しても、8月までは留任。安倍首相と握手して“蜜月関係”となった会長が居座る間にTPPを妥結しようとする政権の狙いは明らかです」(山田氏)。

しかし唐突な辞任表明と首相との“手打ち”に他のJA幹部は反発、座り込み集会にはJA茨城などの農協関係者も参加。「会長が闘争心を失っても各県の農協が白旗を上げたわけではない。1月の佐賀県知事選ではJA佐賀が、対立候補を支援して自公推薦候補が落選。来年の参院選でも、重要5品目死守の国会決議を反故にした自民党候補の落選運動が一人区を中心に起きても不思議ではない」(永田町ウォッチャー)。

実際、集会では野党国会議員だけでなく、複数の自民党議員がマイクを握ってTPP反対を訴えた。

TPP妥結に不可欠とされる米大統領貿易促進権限「TPA」法案は下院で難航、NGO「パブリックシチズン」は成立困難と予測する。そこで、オバマ米大統領は28日、TPP交渉の早期妥結に向けて連携する方針で安倍晋三首相と一致したと明らかにした。

こうした事態を受けて山田氏らは、TPP交渉差止・違憲訴訟を5月15日に起こすことを決定した。「米韓FTA(自由貿易協定)が締結された際、韓国の大統領が米国を訪問して演説する機会を与えられ、交渉妥結が加速。韓国は米韓FTAで国内法を変えさせられて独立国家ではない状態になったが、安倍首相も日本の国益を米国に売り渡そうとしている」(山田氏)。

TPP交渉の行方が注目される。

(横田一・ジャーナリスト、5月15日号)

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