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富岡町仮設焼却炉完成だが――除染ゴミ処理のメドたたず

富岡町の仮設焼却炉。2機あり、各250トン/日の処理能力をもつ。(撮影/中村ゆうき)

富岡町の仮設焼却炉。2機あり、各250トン/日の処理能力をもつ。(撮影/中村ゆうき)

3月19日、福島県双葉郡富岡町で仮設焼却炉の火入れ式が行なわれた。本格稼働は4月だが、年度内に動き出した形だ。現在、福島県内では災害廃棄物や除染廃棄物などを処理するための焼却炉が次々と建設されている。その数は地元調整中のものを含め19にも及び、富岡町焼却炉の処理能力は500トン/日と最大規模。50万都市のゴミ焼却炉と同等という施設群が富岡町仏浜・毛萱地区を独占し、周囲には除染ゴミの入ったフレコンバッグが山積している。

富岡町の廃棄物総量は30万トンと想定され、そのうち22・5万トンの可燃物を2年後の2017年3月までに焼却するとしている。焼却灰は、放射線濃度が10万Bq/kg以下のものは町内のエコテッククリーンセンターにセメント固化後、埋め立て処分される。一方、10万Bq/kg超のものは中間貯蔵施設に搬入されていく。ゴミ焼却後のバグフィルターで捕集された飛灰は30万Bq/kg超が想定されており放射線濃度は非常に高く、その量は除染により生まれたゴミの量次第となる。この点を、環境省担当課に確認すると「(焼却する除染ゴミの量は)正直読み切れていない」と回答。さらに、焼却せず中間貯蔵施設に直接搬入する土ごみは廃棄物総量30万トンの中に含まれず、その量は焼却される草木ゴミの14万トン以上とされるが「中間貯蔵施設への運搬事業は今のところ何も決まっていない」(同課)。

総事業費600億円で焼却事業を受注した三菱重工や鹿島建設は、焼却灰保管までは請け負っているがその後は管轄しない。中間貯蔵施設への搬入が直ちに始まる訳でもなく、汚染土壌や焼却灰が富岡町にいつまで保管されるのかは不透明なままだ。富岡町の宮本晧一町長は「待ちに待った施設で、復興の加速化の一翼を担うことを期待したい」と火入れ式で話した。町長は2年後に町民帰還を目指すとしているが、除染ゴミの処理が間にあわないのは目に見えている。

(中村ゆうき・フリーライター、4月3日号)