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高知白バイ・スクールバス事故――再審棄却で即時抗告

高松高裁で1月29日、県警が提出した現場写真の不審点を説明する片岡晴彦さん。(撮影/粟野仁雄)

高松高裁で1月29日、県警が提出した現場写真の不審点を説明する片岡晴彦さん。(撮影/粟野仁雄)

「このままでは、バスは動いていなかったと法廷で証言してくれた(乗客の)生徒さんたちが偽証していたことになる。彼らのためにもあきらめられません」――高知市で2006年3月、交通取締用自動二輪車(白バイ)が停車中のスクールバスに突っ込み、高知県警の隊員が死亡した。この事故で「バス側が動いていた」と認定され、運転手の片岡晴彦さんが業務上過失致死罪で服役。昨年12月16日、高知地裁は片岡さんの再審請求を棄却したが、「バスは止まっていた。過失はない」とする片岡さんは1月29日、高松高裁に即時抗告理由書を提出し、会見した。

再審請求で弁護側は、千葉大学名誉教授の三宅洋一氏による「県警が提出した現場写真は合成」とする鑑定書を提出。合成(貼付)が疑われる人物が映っているなど不自然な点が複数ある写真だが、棄却決定書は「合成の際に出るドットがない」などとして、鑑定を排除した。タイヤ痕を液体様のもので描いた可能性も鑑定は示唆したが、決定書は「衆人環視の中でタイヤ痕捏造は不可能」と判断。「白バイでアスファルト面が削れるはずのえぐれがない」との指摘も「えぐれがあるのは明らか」と、理由を明示しないまま退けた。片岡さんと弁護団は「理由も示さずに排斥するのは許されない」などと糾弾する。自動車事故鑑定人の石川和夫氏は「必ず付くはずのタイヤの溝の跡もなく、タイヤ痕が前輪にしかない。後輪はダブルタイヤなので迅速に捏造できなかったため」などと説明した。

10年秋の再審請求後、裁判所、検察、弁護団による三者協議を繰り返したが、裁判所は弁護側が再三にわたり求めた三宅氏の証人尋問も認めていない。日本国民救援会高知県本部の田中肇会長は、「棄却を受け入れての第二次請求も検討したが、やはり警察や検察のでたらめを認めるわけにはゆかない」と話した。

(粟野仁雄・ジャーナリスト、2月6日号)