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国の導水事業が生態系を破壊――「霞ヶ浦」募る懸念

2014年12月25日12:01PM

「霞ヶ浦導水事業はいらない」全国集会が11月29日、茨城大学で開催された。この導水事業は霞ヶ浦(湖)を中心に那珂川(茨城県)と利根川(千葉県)を導水管で結ぶというもの。茨城県などへの都市用水のほか、常陸川水門の閉鎖で発生したアオコ被害を軽減するための水質浄化などを目的とする。

同事業のうち利根川への導水管は1994年に完成したが、試験通水が行なわれた途端にシジミが大量死した。このため地元漁協から反対があり、以降は「開かずの水路」として未使用となっている。

事業者の国土交通省は2008年4月から那珂川への導水管工事にも着手を試みたが、現在、止まっている。利根川で起きた事例を受け、那珂川沿岸の茨城県内の3漁協と栃木県内の4漁協が工事に反対。「那珂川アユ裁判」が繰り広げられているからだ。事業が開始されれば、取水口にはアユ、ウグイ、サケ、サクラマスなどの仔魚が吸い込まれ、漁獲への影響が懸念される。

29日の集会で基調講演を行なった茨城大学の二平章・人文学部市民共創教育研究センター・客員研究員は、「那珂川は本流にダムのない自然河川であり、目的が消え失せた25年前の計画でその自然生態系を破壊してはならない」と力説した。霞ヶ浦生態系研究所の浜田篤信氏は、那珂川のシジミの生産量は流量に大きく影響すると見られ、導水事業による取水は生産減につながるとの予測を発表、高村義親・茨城大学名誉教授は、浄化効果はないとのデータを発表した。

参加者は、霞ヶ浦導水事業は不要であり、計画の強行は共有財産を破壊するものであるとして、事業の中止を求める決議を行なった。

30日には事業に反対する那珂川漁協への応援に「那珂川ウォーターネットワーク」ら数人のカヤッカーが上流から駆けつけて、「導水事業NO」のプラカードを掲げて反対をアピールした。

(まさのあつこ・ジャーナリスト、12月12日号)

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