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「松代大本営」工事開始70周年――長野市「説明版」改変

2014年12月12日12:00PM

アジア太平洋戦争末期「国体護持」を目的に秘密裏に強行された「松代大本営」(長野県長野市)地下壕の突貫工事。1944年11月11日に工事開始の発破が行なわれて70周年の同日、象山地下壕前の「朝鮮人犠牲者追悼平和記念碑」前で追悼集会が開催された。

敗戦までの約9カ月間、朝鮮半島から強制動員された2000人を含む約6000人の朝鮮人が苛酷な労働の主体となった。80年代以降、地元高校や市民、研究者らの調査が続き、その犠牲者は100~200人と推定される。

集会は鎮魂の舞と黙祷、「追悼碑を守る会」と在日本大韓民国民団、在日本朝鮮人総聯合会の各代表の挨拶、読経と続き、参加者の献花が行なわれた。

一方、象山壕の入り口の横には長野市が設置した案内板がある。昨年、説明文の「強制的に」の文言を同市がテープで覆い隠し、市作成の案内パンフレットも撤収したため、今年8月、「追悼碑を守る会」(塩入隆会長)が文言を復元するよう長野市に申し入れていた。

市側は「検討会」で協議した文案を10月7日、同会に示したが、内容は、「労働者として多くの朝鮮や日本の人々が強制的に動員されたと言われています」「必ずしも全てが強制的ではなかったなど、さまざまな見解があります」などと、史実が曖昧にされたものだった。翌日の定例会見で加藤久雄長野市長は、これを「確定稿」と発表。11月13日、長野市は従来の案内板を撤去し、新たな板を設置した。

「追悼碑を守る会」と在日2団体は、(1)史実を明確に記すこと、(2)市長発言を撤回し、市民と在日団体が参加した検討会で、協議合意の上で説明文を確定すること――を求めて、署名活動を続けている。

「市は最低でも案内文を元に戻すか調査研究成果を示すべき。本質的に強制連行があったことは歴史的事実」と、塩入さんは“歴史修正”の動きに警鐘を鳴らす。

(西中誠一郎・ジャーナリスト、11月28日号)

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