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東京・日比谷公園で男性が焼身自死――現政権に抗議の意思表示か

2014年12月3日9:58AM

抗議文は衆・参両議院議長、安倍晋三首相宛で記されており、文末に「死をもって訴えます」とある。(撮影/内原英聡)

抗議文は衆・参両議院議長、安倍晋三首相宛で記されており、文末に「死をもって訴えます」とある。(撮影/内原英聡)

11月11日の午後7時前、東京・日比谷公園内で火の手が上がった。目撃者の通報により消防隊員や丸の内署の警察官らが駆けつけたが、現場には男性一人が倒れており、まもなく病院で死亡が確認された。

警視庁広報課は「(個別の)自殺については発表しない」と話すが、『読売新聞』は11月12日朝刊で、〈(丸の内署)幹部によると、現場には、集団的自衛権の行使容認や、沖縄県の米軍普天間飛行場の同県名護市辺野古への移設に反対する内容が記された抗議文があり、同署は男性が自殺を図ったとみて〉調べを進めていると報じた。

男性が遺したと思われる「抗議文」は、12日の消印で本誌編集部宛にも郵送された(写真参照)。13日に受け取った茶封筒の裏面下には、直筆の署名がある。同日、関係団体に取材を申し込んだが、本人確認ができておらず、全容が明らかになるまでメディア対応はできないとする回答があった。

抗議文には〈違憲無効な「7・1閣議決定」を直ちに取り消せ!〉〈沖縄の辺野古・高江の基地建設を今すぐ中止を。〉などとある。

沖縄が日本へ“復帰”した翌年5月、同県出身の上原安隆さんは大型バイクで国会正門に激突し、26歳で絶命した。78年発表のドキュメンタリー映像『激突死』で彼の死の意味を問うた森口豁氏(ジャーナリスト)は、「こうした死を招かないためにも、政府や政治家は、命を擲って抗議の意思表示をする人が後を絶たないことを重く受けとめてほしい」と語る。「今年6月末にも新宿(東京)で、現政権を批判するため焼身自殺を図った人がいました。一命は取り留めたというが、メディアはその後、多くを報じていない」と、マスメディアの姿勢を問う。

今回、男性が絶命したのは、都道301号線に面する広場だった。道路向こう正面には、東京地方検察庁・公安調査庁・法務省・警察庁などの同居するビルが建つ。

(内原英聡・編集部、11月21日号)

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