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市民向け専門誌『冤罪File』――休刊惜しむ声も多く

2014年10月8日6:19PM

6年間も雑誌が続いたことが奇跡とも言われる『冤罪File』だが、読者に惜しまれながらも第21号で休刊する。(撮影/池添徳明)

6年間も雑誌が続いたことが奇跡とも言われる『冤罪File』だが、読者に惜しまれながらも第21号で休刊する。(撮影/池添徳明)

無実にもかかわらず犯罪者として扱われる冤罪事件――これを専門に取り上げ、捜査や裁判のあり方を批判してきた『冤罪File』が、現在発売中の第21号で休刊することが明らかになった。

同誌は2008年2月に創刊。法律家を対象にした専門誌ではなく、あくまでも一般市民向けの雑誌として発行され、その存在意義が高く評価されてきた。

しかし発行部数は伸び悩み、赤字が膨らんだため、これ以上の発行継続は難しいとの判断になったという。冤罪関係者だけでなく、冤罪問題や捜査・裁判のあり方に関心を寄せる多くの人から、休刊を惜しむ声が上がっている。

同誌は創刊号で、映画『それでもボクはやってない』(配給は東宝㈱)の周防正行監督のインタビューを掲載するなど、冤罪問題に関係のある著名人を毎号巻頭で取り上げた。

再審無罪判決が出る以前から、東電OL殺人事件、足利事件、布川事件といった著名事件を詳細に取材するとともに、八海事件などの歴史的冤罪事件も大きく扱った。

さらに、名張毒ぶどう酒事件や袴田事件など、冤罪である疑いが濃厚とされる事件や、痴漢冤罪事件についても積極的に誌面化。裁判官の訴訟指揮や憲法感覚に焦点を当てた連載も好評だった。

創刊号は増刷され2万部近く販売。司法への不信を背景に、同誌に対する期待の大きさだと言われ評判になった。しかし、出版不況の影響もあって部数減が続き、最近は5000部から1万部の間で低迷していた。

発行元は当初のキューブリックから希の樹出版に変更され、季刊から年3回発行となっていた。

希の樹出版の関係者は、「雑誌を出すたびに赤字が重なり、これ以上の発行継続は難しいと判断した。復刊の可能性についてはわからない」と説明している。

(池添徳明・ジャーナリスト、9月26日号)

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