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「指導死」の存在認めない文科省――「先生のいじめ」と大臣

2014年9月17日10:26AM

生徒指導をきっかけ、原因として子どもが自死に追い込まれる指導死。その多くは教師のパワハラによる――昨年11月、下村博文文部科学大臣は筆者の単独取材の中で、前述の見解を容認する発言を行なった。『サンデー毎日』に掲載される予定だったが、編集部と文科省の間で「取材はなかったこと」になり、記事化されなかった。文科省が指導死を公的に認めていないためだろうか。

下村大臣は取材でこう語った。

「教師の暴言や憎しみの言葉があったかもしれませんが、一方で、なぜ、あれ位のことで自殺してしまったのかと周りが不思議に感じるケースがあるかもしれません。教師が責められるかどうかはケース・バイ・ケースで、一つ一つを調査して分析しないといけません」

文科省は調査を実施しておらず、再発防止策もとっていない。

下村大臣は、「指導死というのは先生のいじめです。いじめ防止対策推進法は、教師によるいじめは含まないという前提はありますけども、波及効果は相当あると思います。学校空間で起こるいじめの全てを撲滅したいと考えますので、指導死も国が基本方針を作って地方自治体に徹底します」と話した。

「指導死」親の会代表の大貫隆志さんは、「文科省が指導死を放置し続けるなか、大臣の発言には勇気づけられた」と言う。

8月1日の定例会見でも下村大臣は、「指導により子どもが自殺することがあってはならない」とした。教育行政はこの発言を無視せず、「指導」の名のもとになされる暴行や精神的暴力により、悩み、苦しんでいる子を救う責務がある。

名古屋大学大学院(教育発達科学研究科)の内田良准教授は、「文科大臣が教師のパワハラに言及したことに意義がある。児童・生徒への体罰は法律で禁じられているが、精神的暴力については法整備されていない。今回の大臣発言を法制化に向けるべき」と指摘する。

(桜木和美・ライター、8月29日号)

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