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川内原発再稼働手続き進むも避難弱者は……――施設管理者に避難計画丸投げ

2014年7月28日6:53PM

再稼働中止を求めて署名とともに陳情した鹿児島県いちき串木野市の住民。(撮影/満田夏花)

再稼働中止を求めて署名とともに陳情した鹿児島県いちき串木野市の住民。(撮影/満田夏花)

「施設管理者に避難の策定が丸投げされるのは、行政の責任放棄ではないか」――九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働手続きが進む中、寝たきりの高齢者や心身の障がい者など、援護を必要とする人びと(以下、要援護者)の避難時の対策が、個々の施設に押し付けられている実態が明らかになってきた。川内原発から半径30キロメートル圏内の9市町はそれぞれ防災計画を策定しているが、要援護者の避難については、具体策が決められていない。

伊藤祐一郎鹿児島県知事は6月13日、「10キロ圏外の、要支援者(要援護者)の施設については避難計画を策定する必要はない」と発言。実際、10キロメートル圏外の社会福祉・医療関係の227施設については、施設管理者が避難計画を策定するとのみ定められている。

川内原発に隣接するいちき串木野市内で社会福祉施設を経営する江藤卓朗さんは、「在宅の要支援者(要援護者)は他の避難者と一緒に体育館や公民館に避難する計画だが、これも非現実的」として、「医療を必要としている人や、パニックを起こす人もいる」と懸念する。

自治体への聴き取りによると、避難先の床面積は一人当たり2平方メートルに限られるのが実態だ。ケアマネジャー協会いちき串木野支部会長の馬塲添司さんは、「1993年の水害の際には、ある施設から30人の入所者を7カ所に分けて避難させた。それがどんなに大変だったか」と振り返る。「100人の入所者を1カ所では受け入れられない。行政は現状を調査して計画するべきだ」(馬塲さん)。

社会的弱者への配慮を怠るなど多くの課題を抱えながら進む再稼働手続きについて、6月24日には同市の市民らが「市民の生命を守る避難計画がないままでの再稼働に反対を」という趣旨の陳情を同市議会および田畑誠一市長に対して行ない、賛同する1万5464筆の署名を提出している。

(満田夏花・FoE Japan、7月18日号)

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