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規制委に「原子力ムラ」重鎮――原発再稼働の布石

2014年6月18日5:55PM

原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理と大島健三委員が9月に任期満了を迎えるにあたり、政府は5月27日、二人を交代させる人事案を国会に提示した。原発直下の活断層を厳しく指摘してきたことで自民党など政財界の原発推進派から批判されていた島崎氏の再任はなくなった。

安倍政権が示した人事案は、田中知東京大学大学院教授と石渡明東北大学教授の二人。田中氏は元日本原子力学会会長で、東京大学「原子力教育研究イニシアチブ」の拠点リーダーをつとめるなど、推進派の重鎮であった。

超党派の議員連盟「原発ゼロの会」は30日、田中氏の起用は「原子力ムラとの決別」をうたった原子力規制委員会設置法の趣旨に反するという談話を発表。2012年に民主党政権が規制委を発足させた際にさだめた人選基準に抵触するとした。この基準は、就任前直近3年間に「原子力事業者等及びその団体の役員、従業者等であった者」または「個人として、一定額以上の報酬等を受領していた者」を欠格要件としている。

田中氏は11年~12年、日本原子力産業協会の役員をつとめ、東電記念財団から11年度に50万円以上の報酬を得ていた。日立GEニュークリア・エナジー、太平洋コンサルタントなどから100万円以上の寄付も受けている(11年度)。

井上信治環境副大臣は28日の参議院原子力問題特別委員会で、民主党政権時代の基準を適用せずに人選したことを明らかにした。「ゼロの会」は田中氏の人事案の撤回と再検討をもとめているが、政府はおし通すかまえだ。

30日には九州電力・川内原発の稼働停止を求める訴訟の原告の一部が、稼働差し止めを九電に求める仮処分を鹿児島地裁に申し立てた。規制委は同原発の審査を全国でもっとも早く進めており、田中氏の規制委就任は、再稼働への大きな布石となる。

(野中大樹・編集部、6月6日号)

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