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昨年の衆院選は「違憲状態」――今の国会は無効か!?

 昨年一二月の衆議院選挙で「一票の格差」が最大二・四三倍だったことを受けて、二つの弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷は一一月二〇日、区割りを「違憲状態」と判断した。戦後初となる「違憲・無効」も出された高裁判決からは後退したが、原告の升永英俊弁護士は「違憲状態判決の意味はきわめて大きい。憲法上、無効の選挙で選ばれた人たちが、いまの国会と内閣総理大臣の地位にいると最高裁判所が判断した」と話す。

 原告が選挙は無効だと主張する根拠は、憲法の条規に反する行為は効力を有しないと定めた憲法九八条などだ。升永氏が言う。

「第一条や前文第一文には主権は国民が有し、日本国民は正当に選挙された国会の代表者を通じて行動すると明文化されている。また、五六条二項には、両議院の議事は出席議員の過半数で決するとある。つまり、過半数の国民が過半数の国会議員を選ぶには人口比例選挙以外何もない。だが、現状では少数の国民が過半数の国会議員を選んでしまっている」

 最高裁は違憲状態と判断を示したとはいえ、人口比例選挙について言及していない。

「われわれは人口比例選挙の保障について判断してほしかったが、判決では一言も触れておらず、サジ加減の問題で終わらせてしまっていて不十分だ。裁判所には答える義務がある」

 判決では一四人の裁判官のうち鬼丸かおる裁判官が、投票価値をできる限り一対一に近づける平等を憲法が保障していると言及。三人は、合理的期間内に格差が是正されなかったとし、残り一〇人は曖昧だった。

 原告の久保利英明弁護士は、「少数決で選ばれた国会議員が憲法を改正し、訳のわからない法律を作っていくことが、日本にとって正しいことなのか。そうした声を最高裁に上げていかなければいけない」と述べた。

(桐島瞬・ジャーナリスト、11月29日号)