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練馬区民が閲覧制限請求に抗議の署名提出――『はだしのゲン』を隠すな

2013年11月27日8:40PM

「腹が裂け、腸が垂れ、眼球が飛び出し顔に垂れている」。講談中の神田さん。(撮影/編集部)

「腹が裂け、腸が垂れ、眼球が飛び出し顔に垂れている」。講談中の神田さん。(撮影/編集部)

東京の練馬区教育委員会に「『はだしのゲン』の教育現場からの撤去を求める陳情」が提出されたことに抗議し、市民団体が一一月五日、自由閲覧の継続を求める八五五〇筆の署名を同会に提出した。

 反戦漫画として知られる『はだしのゲン』をめぐってはこの八月、松江市教委が市内の小中学校に閲覧制限を求めたが、多くの抗議を受けて撤回。だがその後、一〇月一日に発売された雑誌『正論』が「『はだしのゲン』許すまじ!」と題した特集を組み、「反日的なイデオロギー」などと攻撃した。

 神奈川県議会では一〇月三日、自民党議員が「発達段階に応じた教育的配慮」などと実質的に閲覧制限を求める質問をし、県側が「検討する」と回答している。練馬区の「撤去を求める陳情」はこうした右派の動きの一環と見られるが、これに対し「『はだしのゲン』の自由閲覧を求める練馬区民の会」が反対の署名運動を始めた。

 署名では「有害図書」としてこの作品を撤去するのは、「表現の自由」などの侵害で、「『非核都市宣言』を有する練馬区にあってはならないこと」と強調。作品が「未来に生きる子どもたちが、再び戦争に突入することのない、平和な社会を築くことを、マンガを通して訴えたもの」とし、自由な閲覧を守るよう訴えている。

 練馬区教育委員会では一一日現在、「教育現場からの撤去を求める陳情」は継続審議になっているが、「練馬区民の会」側は引き続き署名を呼びかけている。

 この中、一九八六年から二七年にわたって『はだしのゲン』の講談を行なってきた講談師の神田香織さんが八日、憲法行脚の会主催の講演会「はだしのゲンをなぜ消そうとしたのか」に出席し、同作の講談を披露した。その後の佐高信・本誌編集委員との対談では、「『はだしのゲン』を隠して、どんな子どもを育てたいのか、どんな社会にしたいのか」と訴えた。

(編集部、11月15日号)

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