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汚染水漏れ東電の責任問う――公害罪容疑で告発

福島第一原発で高濃度の放射能汚染水漏れ事件を引き起こした東京電力と同社幹部らが、公害犯罪処罰法違反の容疑で九月三日、刑事告発された。

 同日、福島県警に対して告発したのは、福島原発告訴団の武藤類子団長ら三人。同告訴団は昨年六月、勝俣恒久・東電前会長ら三三人を業務上過失致死傷容疑などで福島地検に対して告訴・告発をしているが、今回の告発はそれに続くものだ。

 前回の告訴・告発は、原発事故を起こした関係者個人の刑事責任を問うものだが、今回の告発は、事故発生から二年以上が過ぎた今もなお、大量の放射能を太平洋に垂れ流し続ける東電の責任を問うもの。同社の幹部らだけでなく、法人としての東電も告発された。

 汚染水対策の責任は東京電力に課せられている。しかし、東電は汚染水管理のために必要な注意義務を怠り、汚染水タンクから高濃度の放射能汚染水を漏洩させる一方、地下水や海洋にまで汚染を拡大させていた。

 同日の記者会見で、同告訴団の河合弘之・弁護団長は、抜本的な汚染水対策を講じると一〇〇〇億円もの費用がかかり、東電が債務超過に陥り、会社が破綻するとして対策が先送りにされたとする見方を証拠とともに示しつつ、

「いまだに強制捜査すらしていない東京地検と福島地検が、東電に“何をやっても許される”という慢心を与えた。地検への告発も考えたが、前回の私たちの告訴・告発に対し、地検は“どうすれば不起訴にできるか”しか検討していないようだ。もう信用できない」

 と、福島県警への告発に踏み切った真意を語った。

 八月以降、原発事故の収束が程遠い状況にあることが明らかになる一方で、同告訴団の告訴・告発は不起訴になるとの観測記事がまことしやかに流されている。

 福島県警の対応が注目される。

(明石昇二郎・ルポライター、9月6日号)