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「君が代」不起立の懲罰研修――教員に思想転向迫る?

東京都内の「懲罰研修」会場前で、仁王立ちする都教委指導主事ら。(撮影/永野厚男)

東京都内の「懲罰研修」会場前で、仁王立ちする都教委指導主事ら。(撮影/永野厚男)

今春の「君が代」不起立を理由に、東京都教育委員会が懲戒処分にした都立学校教員(卒業式五人、入学式三人の計八人)のうち定年退職者を除く全員に「服務事故再発防止研修」(いわゆる懲罰研修)が強制されたが、東京・本郷の都教職員研修センター(高野敬三所長)で実施された個別研修で、同センター幹部が教員に思想転向を迫るような問題発言をした。

「一回目戒告、二・三回目減給、四回目以降停職」と他道府県に例のない累積加重処分を続けていた都教委は、「減給以上は原則違法」という昨年一月の最高裁判決以降、複数回の不起立者にも戒告しか出せなくなった(ただし特別支援学校の田中聡史教諭には、停職に次いで重い減給処分を強行し問題となっている)。その代替として都教委は昨年四月以降、被処分者全員を集める一回目の研修の後、指導主事らが来校する「所属校研修」を課し、さらに「締め括り研修」も課すなど内容を強化している。

 今回の発言をしたのは同研修センターの伊東哲研修部長。高校教諭のAさんによると、八月一六日の締め括り研修で、受講報告書に「精神的に苦痛だった」と記述したところ、これを見た伊東部長は「こういう研修は当たり前のことをやっているのだから、あなたの考えを変えてもらわなければならない」などと発言したという。

 内心の自由をめぐっては二〇〇四年七月二三日に東京地裁・須藤典明裁判長が「繰り返し同一内容の研修を受けさせ、非を認めさせようとするなど、内心の自由に踏み込むような研修は違憲違法の問題を生じさせる可能性がある」との「裁判長決定」を出している。

 同研修センターは本誌の事実確認に対して、「『考えを変える』という言葉は使ったが、内心を変えろということではなく、ルールに基づいて行動してほしいという趣旨の発言をした」(教育経営課)と釈明している。

(永野厚男・教育ライター、8月23日号)