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参院選後に議員立法でカジノ法案提出か――バクチ合法化“オール与党状態”

2013年7月29日4:54PM

 参院選での争点にはなっていないが、秋の臨時国会に法案提出の可能性が出てきた、いわゆる「カジノ法案」。六月七日には日本維新の会が衆院に法案を提出し、橋下徹・共同代表も参院選公示第一声(七月四日、大阪)で「カジノ解禁」を口にした。しかし、このカジノ法案を推進しているのは維新の会だけではない。社民党、日本共産党以外のほぼオール与野党の議員たちが仲良く顔をそろえ、これを推進しようとしている。

 そもそも賭博は刑法第一八五条で禁じられている犯罪行為だが、「経済成長」を名目にこのバクチを合法化しようというのがカジノ法案だ。政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)でも、メンバーとなっている楽天会長の三木谷浩史氏、慶應義塾大学教授の竹中平蔵氏がそれぞれカジノ推進発言。アベノミクス成長戦略の一つと目されている。茶番のようだが、議長の安倍首相自身が後述のカジノ議連の最高顧問に収まっている。

 議員立法でのカジノ法案提出の方針を決めた「国際観光産業振興議員連盟」(いわゆるカジノ議連)の名簿(四月二四日現在)によると、最高顧問に安倍晋三(自民)、石原慎太郎(維新)、小沢一郎(生活)ら四議員が就き、会長に細田博之議員(自民)、副会長には小沢鋭仁(維新)、柿沢未途(みんな)、佐藤茂樹(公明)、谷岡郁子(みどりの風)、前原誠司(民主)など各党から一六議員が名を連ねる(表参照)。党別では自民党八五人を筆頭に民主党二三人、維新の会一六人、公明党八人、みんなの党五人、生活の党二人、みどりの風一人の計一四〇人。

 地方でも猪瀬直樹・東京都知事や松井一郎・大阪府知事らがカジノ解禁を支持。一九九九年の東京都知事選で石原慎太郎氏が「お台場カジノ構想」をぶち上げて以降、カジノ併設のIR(統合型リゾート)などと呼称を変えたが、現在までに愛知、沖縄、千葉、北海道、市レベルでも仙台市、横浜市などが検討に入っているという。

 こうした自治体を支援するため、大手広告代理店の電通は二〇一一年一一月に「カジノ&観光プロジェクト部」を設置。どこを支援しているかは「お答えできない」(同社広報部)と言うが、東京ではフジテレビが推進の主役だ。三井不動産、鹿島、日本財団とともに「東京DAIBA・MICE/IR国際観光戦略総合特区」との名称で計画準備を進める。

 カジノ法案についてはこれまでさまざまな議論がされてきた。〇六年の自民党による「カジノ・エンターテインメント導入基本方針」、一一年の民主党による「特定複合観光施設区域の整備促進法案」などだ。それらの中身について触れる紙幅はないが、要は「賭博(競馬、競輪など)は公営、遊技(パチンコなど)は民営」と分類されてきた基本的な枠組みを変えるか変えないかという根本的な問題がある。また、射幸心を煽って「勤労の美風を害する」との最高裁判例(一九五〇年一一月)があり、ギャンブル依存症がもたらす家庭・社会問題の増加を懸念する声もあるほか、新たな警察利権になるとの指摘もある。

「さらなる多重債務者を生むことが容易に予想されますので、私たちは当然(カジノ法案に)反対です」と語るのは、全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の秋山淳事務局長。全国クレサラ問題対策協議会の中に設置された依存症問題対策全国会議が中心となって四月と六月の二回、大阪で反対集会を開き、九月には東京での開催を予定している。

 主要争点で対決姿勢を見せている各党だが、「カジノは自民党と手を組む」とは表明せずに、この法案については事実上の“オール与党状態”。その姿勢を有権者はどう見るのだろう。

(片岡伸行・本誌編集部、7月19日号)

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