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ヘイトデモ抗議のAさん――長期勾留の末、釈放

2013年7月23日6:33PM

 東京・新大久保での「在日特権を許さない市民の会(通称・在特会)」らによる悪質な差別・排外デモ(六月一六日)に抗議した側でありながら逮捕され、長期勾留されていたAさんが七月五日、原宿署から釈放され不起訴となった。四日夕には「6・16新大久保駅前弾圧救援会」のメンバーら約二〇人が東京・霞が関の東京地検を訪れ「人種差別に抗議した市民に対する逮捕・長期勾留は不当」とし、釈放と不起訴を要請していた。

 同事件では在特会の高田(通称・桜井)誠会長ら同会メンバーら四人が逮捕されたが、数合わせのように、抗議した側の市民四人も逮捕。しかし高田会長らは翌日に釈放された。Aさんは逮捕翌日に原宿署に移されて一〇日間勾留、六月二六日の勾留理由開示公判で東京地検公安部はさらに八日間の勾留延長を請求し、東京地裁の内藤恵美子裁判官がこれを即日認める決定をしたため、当日逮捕された八人のうち七人が釈放されたにもかかわらず、Aさんだけが長期勾留されていた。

 要請行動には呼びかけ人の一人で一橋大学教授の鵜飼哲さんらが、東京地検の伊丹俊彦検事正と同公安部・鈴木敏宏検事宛の「要請書」を持参。事前に地検側に伝えていたにもかかわらず、二十数人の警備員が入口をふさぎ、一般の人が通行している地検前の通路への入場も拒否。最終的に職員が要請書は受け取ったものの、やりとりしている最中、公安警察と思われる十数人が無断でビデオなどでメンバーらを撮影して挑発。この行為にメンバーは激しく抗議し、地検前は一時騒然となった。

 同事件では在特会側二人、抗議した市民一人の計三人が略式起訴で罰金刑を受けた。関係者によれば、Aさんは野宿者支援など社会運動に積極的に関わっており、今回の事件で暴行をした事実はないため、取り調べに対しては一貫して黙秘、拒否を続けていたという。

(片岡伸行・編集部、7月12日号)

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