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TPP交渉参加表明するも進まぬ交渉――「コメにおいても例外はない」

2013年6月18日4:53PM

四月下旬、訪米調査を行なった山田正彦元農林水産大臣。(撮影/横田一)

四月下旬、訪米調査を行なった山田正彦元農林水産大臣。(撮影/横田一)


 TPP(環太平洋戦略経済連携協定)の交渉会合が五月一五日からペルーのリマで始まった。日本は交渉参加表明をしたものの、米議会の承認手続き中で参加できず、七月に予定されている次回の会合に参加できるかも微妙な情勢だ。

 四月下旬に訪米調査を行なった山田正彦元農林水産大臣はこう話す。「日本のメディアは、米議会に通知すれば、九〇日後、自動的に日本の交渉参加が承認されると報道しているが、USTR(米国通商代表部)のカトラー代表補は『九〇日の間に交渉参加を議会に認めさせることができるのかは、私たちにも深刻な問題だ』と話していた。米国の自動車業界は反対、国会議員も一三四人が反対署名をするなど、米国内で反対論が強まっているためです」。

 また山田氏は、カトラー代表補から「コメにおいても例外は認められない。輸入を一定程度抑制するセーフガードや関税の長期間据え置き(段階的に廃止)はありうるが」という回答も引き出し、「コメなど重要五品目の聖域は認められうる」という安倍晋三首相の発言が不可能なことも明らかにした。

「コメすら除外にならないのだから牛肉など他の重要品目が聖域になるはずがない。『TPPのひな型』の米韓FTA(自由貿易協定)でも、コメの関税は段階的廃止にすぎなかった」(山田氏)

 一五日の参院予算委員会でも大河原雅子議員(民主党)が、米韓FTAで遺伝子組み換えに関する覚書が結ばれたことを指摘。「遺伝子組み換え食品の表示は撤廃されないのか。食の安全は守られるのか」などと安倍首相を追及した。

 三月一二日のJA主催の集会で自民党の石破茂幹事長は「重要五品目の関税維持・食の安全・ISD(投資家と国家間の紛争)条項などTPP六項目すべてが公約」と明言したが、四月末の参院山口補選ではこれに全く触れなかった。再び公約を反故にするのは時間の問題。JAや日本医師会などの参院選への対応が注目される。

(横田一・フリージャーナリスト、5月24日号)

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