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静岡県島田市長選で現職の桜井氏が落選――がれき受け入れ市長に不信任

2013年6月17日2:08PM

五月一九日に投開票となった静岡県島田市の市長選で、全国に先駆け東北被災地のがれき受け入れを強行した現職の桜井勝郎候補が、新人で同市の前教育委員長の染谷絹代候補に敗れ、落選した。これまでがれき受け入れに反対してきた「安心して暮らせる島田を作る市民の会」などの市民団体は、「住民無視の前市長に対する民主主義の勝利だ」として、染谷候補の当選を歓迎している。

 桜井前市長は昨年二月、岩手県山田町のがれきを受け入れ、百数十人の市民が抗議のため市役所に押しかける中で試験焼却を実施。同年五月には本格受け入れに踏み切ったが、その後地権者の了解もなく同市が汚染されている疑いの濃い焼却灰を民有地に搬入したため、地権者がロープを張って阻止行動を展開する騒ぎに発展した。

 こうした反対運動に対して前市長は「左翼的ヤクザ」と非難する一方、環境省の広域がれき処理を推進する「絆キャンペーン」の先頭に立ち、「自治体のトップは……腹をくくって、がれきを受け入れるべきだ」(『産経新聞』同年二月一四日付)などと主張し、がれき受け入れに賛成する自治体首長の「顔」として、メディアにたびたび登場していた。

 だが、前市長は当初総計一万五〇〇〇トンものがれき受け入れを計画しながら、その後被災地でのがれき量が大幅に下方修正。結局、受け入れた実績は数百トンに留まり、計画が破綻した。

 一方、今回の市長選で染谷候補は事実無根の中傷を加えた数種類の怪文書がまかれるなどしたが、がれき受け入れ反対の市民団体とも対話を重ね「今後は市の決定に際しては住民との話し合いを重視する」と述べるなど「草の根選挙」を展開。市を二分したがれき受け入れの是非が選挙争点から消え、企業・業界団体を手堅くまとめながらも「強引」との批判が消えなかった前市長に不信任が突き付けられた形だ。

(成澤宗男・編集部、5月24日号)

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