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もんじゅは再開できず、敦賀原発は廃炉か――規制委の判断に揺れる推進側

2013年6月11日5:48PM

 原子力規制委員会が設けた有識者会合は五月一五日、日本原子力発電・敦賀原発2号機の建屋直下を走るDー1破砕帯を、耐震設計上考慮する活断層と認定した。

 同じ敷地内の浦底断層について、渡辺満久・東洋大学教授、中田高・広島大学名誉教授ら変動地形学者は、早い時期から原電による調査に疑問を呈していた。二〇〇八年に原子力安全委員会で問題となり、原子力安全・保安院は原電に試掘溝調査を指示。結果、しぶしぶ活断層と認めた経緯があった。

 浦底断層から派生するDー1破砕帯も、浦底断層の活動に伴い動くことを前提にすべきで、保安院も「クロに近い」などと言っていたことから、規制委による調査でも、早々に「クロ」の判定がなされると思われた。しかし原電は、Dー1破砕帯が新しく活動した痕跡はないと執拗に否定し、再調査結果を待つようにと抵抗。規制委の調査は昨年一二月に始まったが、なかなか結論が出せずにいた。

 今回規制委は、Dー1破砕帯が浦底断層に交差する付近で見つかったK断層について、活断層と認めた上で、K断層とDー1破砕帯が一連の構造である可能性が高く、活断層であるとしている。規制委は耐震設計審査指針に従い、活動性が否定できない限りは活断層とみなす、すなわち「疑わしきは活断層」の原則を貫いた。再調査結果を待つようにと泣きつく原電の要求を退けたことも注目に値する。

 原電は「議事運営が不公平」「結果ありきの個人的意見だ」と不満を述べ、再調査後の再審査を要求している。場外でも、経営危機を訴え、これに呼応して自民党が規制委を批判するなど圧力をかけている。耐震設計審査指針に従えば、原発の安全上、重要な施設は活断層上に立地してはならず、敦賀原発は廃炉にするしかない。

 大飯原発についても、規制委の調査が続けられているが、破砕帯が活断層であるという渡辺氏らの指摘に、どの有識者も否定できない状況だ。規制委は敦賀原発と同じ原則に立ち、関西電力の“だらだら調査”を待つことなく、早々に活断層の認定をすべきだ。

【もんじゅ見合わせ】

 一方、規制委がもう一つの重要な判断を下したのが、日本原子力研究開発機構が運営する高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の運転再開準備に対する見合わせ措置(管理体制見直し)命令の決定だ(五月一五日)。約一万個の機器の点検漏れがあったためだが、これにより、もんじゅは運転再開のメドが立たず、核燃料サイクル計画自体の根本的な見直しにつながる可能性もある。

 そもそもこの原子力開発機構という独立行政法人(本部・茨城県東海村)は「原子力ムラ」を代表する天下り団体で、今回の点検漏れの責任を取る形で一七日付で理事長を辞任した鈴木篤之氏(一〇年八月就任)は原子力安全委員会の元委員長。いわゆる原発御用学者だ。同機構は環境省から除染事業の窓口を一手に引き受けており、除染モデル事業で多額の予算をピンハネしたとして批判されたこともある(一一年一一月)。除染事業者選定に絡み、訴訟も抱えている。

 もんじゅは一九九五年のナトリウム漏れ事故で運転停止になって以来、一八年も動かずに約一兆円の税金を垂れ流している。試験運転中の一〇年八月に核燃料交換装置が炉内に落下し、以後、停止状態に。一三年度内の運転再開を目指していたところ、昨年一一月に点検漏れが発覚。今回の措置命令の決定となった。

 もんじゅの点検については原子力開発機構の敦賀本部が実施することになっていたが、茨城県の本部と東京事務所にはこの点検内容を指導・管轄する安全統括部が存在する。それらのいずれもが機能不全に陥っていたことになる。規制委は原子力開発機構に対し、今月二三日までに文書による「弁明」を求めている。同機構広報部は「弁明するかどうか検討中」というが、これでは弁明のしようがないだろう。規制委は月内にも正式に措置命令を出す予定だ。

(阪上武・原子力規制を監視する市民の会+本誌編集部、5月24日号)

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