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放射性廃棄物最終処分場の立地場所――ドイツの超党派が合意

2013年5月31日5:21PM

 福島第一原発事故の三カ月後、ドイツは全原発を二〇二二年までに廃止する政策を決定した。残された最大の課題は高レベル放射性廃棄物(原発ゴミ)を処理できる最終処分施設の立地場所を決定し、処理を開始することだ。

 四月九日、ドイツ連邦政府や州政府代表、主要四党代表など超党派の政治家たちが、最終処分施設立地場所の決定時期や立地場所選定の進め方などについて協議し、合意に達した。今回の各党合意により、最終処分施設建設地の決定を目指して大きく一歩、踏み出したことになる。

 各党の政治家たちは協議の結果、(1)二〇三一年までに放射性廃棄物最終処分施設建設の立地場所を決定すること(2)二四人からなる諮問委員会が一五年までに最終貯処分施設の設置基準の設定(3)新たに設けられる監督官庁と連邦放射線防護庁はこの設置基準に基づいて数カ所の候補地を探し、地上の予備調査を開始する(4)連邦議会は二三年末までに二カ所の地下採掘調査を行なうこと(5)放射性廃棄物の最終処分施設を選定するための新たな法律は、七月五日までに連邦議会と連邦参議院で審議、決議する――など具体的合意を得た。

 新しく設けられる諮問委員会の委員長には、メルケル首相に二二年までの段階的原発廃止を提言した諮問倫理委員会の共同委員長を務めたテップファー元連邦環境相(元国連環境計画事務局長)などの名前が挙がっている。

 協議の後、アルトマイヤー連邦環境相は「最終処分場探しは市民参加のもと、オープンに進める」と語った。ドイツでは原発の運転で増え続ける高レベル放射性廃棄物最終処分場の決定が最大の課題。

 高レベル放射性廃棄物の最終処分施設は、日本を含めまだどの国も持っておらず、具体的な場所をこれまでに決定することができた国はフィンランド、スウェーデン、フランスの三カ国だけだ。

(川名英之・環境ジャーナリスト、5月10日号)

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