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ブルームバーグ社の控訴棄却――解雇は再び「無効」

2013年5月30日2:24PM

 米経済通信社ブルームバーグの記者へのPIP(パフォーマンス・インプルーブメント・プラン=成績改善計画)を利用した解雇に再び無効判決が言い渡された。東京高裁(坂井満裁判長)は四月二四日、会社側の控訴を棄却。満席の傍聴席に「よしっ」の声と拍手が響いた。

 同社の記者、Aさん(五一歳)が退職勧奨を受けたのは二〇一〇年四月。一カ月間にわたって達成不可能な課題を与えるPIPを三回繰り返された末の仕打ちだった。会社は団交で要求に一切応じず、八月に正式解雇となった。昨年一〇月五日の東京地裁で全面勝訴したが、会社は即日控訴していた。控訴審は初回で結審し、和解協議が三回で打ち切りとなり、今回の判決に至った。

 今回の判決後の記者会見で新聞労連と弁護団が連名で出した声明は、「解雇の規制緩和や大企業による退職強要が横行し、労働者の雇用環境が悪化しつつある中で貴重な判決である」と高く評価した。

 控訴審判決は、原告の職務能力の重大な低下を示す客観的証拠がないことを、一審判決を補強して認定した。PIPを課す必要性がそもそもなく、解雇の手段にすぎないことを裏付けたに等しい。また、「国際企業と一般的な日本企業との雇用形態には差異がある」という会社の主張についても、「単なる一般論に過ぎず」「解雇事由の判断に影響を与えるようなものではない」と一蹴した。

 記者会見でAさんは、政府の産業競争力会議などで解雇自由化の主張が出ていることに触れ、「金さえ払えば首を切れるということになると、一番切りやすいのは能力不足」とPIPに警鐘を鳴らし、「解雇自由化の流れを許してはならない。社会が監視して歯止めをかけなければならない」と訴えた。

 新聞労連は加盟単組に呼びかけて、会社に上告断念を求めるファクス行動を展開中だ。

(米倉外昭・新聞労連副委員長、5月10日号)

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