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株主代表訴訟で原発を「国策」と主張――いまだに責任回避する東電

2013年3月19日5:46PM

原発事故後の東京電力の謝罪会見。やはり上辺だけの謝罪だったのか。(提供/AP・AFLO)

 東京電力福島第一原発の事故を受けて、東電の株主が勝俣恒久前会長ら現・元取締役二七人に総額五兆五〇四五億円の賠償を求めた株主代表訴訟で、取締役を支援するため補助参加している東電が「原発推進は国策であり、事故前に原発の運転を停止すべき義務はなかった」とする準備書面を東京地裁に提出した。これに対し原告・株主側は、二月二一日の口頭弁論で「日本は原発をやめるべきだ」と反論の陳述をした。

 東電の書面は昨年一二月二七日付。原子力基本法の規定に触れ、「原子力発電の研究、開発やその積極的利用は、(略)一貫して政府のエネルギー政策として推進されてきた」「(東電は)各種の安全規制を遵守して原発の運転を行ってきた」と、国と二人三脚で原発事業にあたってきたことを前面に打ち出している。

 原発が担ってきた役割として地球温暖化対策などを列挙し、福島の事故前は「従前にも増して原発の必要性が認識され、政府として強力に推進していく方針が示されていた」と主張。「政府の政策に沿って原発事業を行うことが相当だったのは明白」との論理で、被告の取締役の責任を否定した。

 一方、原告側の河合弘之弁護団長は反論の陳述で「日本において、頻発する大きな地震をすべての原発がクリアできるはずはない」と指摘。原発事故が「憲法の条文に違反する状態を作り出す」ことも挙げたうえで、「被告(取締役)らは、やってはならない原発の運転を大いなる不注意と任務懈怠をもって行い、事故を引き起こした。責任は重大だ」と改めて強調した。

 訴訟は今後、被告の取締役が津波による原発事故を予見できたか、予見できたなら被害を防ぐためにどんな対策を取るべきで、その義務を果たしていたか、を争点に審理が本格化する。原告団は三月一六日に東京・渋谷で集会を開き、訴訟の経緯や現状を報告する。

(小石勝朗・ジャーナリスト、3月1日号)

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