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橋下市政下でがれき処理めぐり――反対派の相次ぐ逮捕

2013年1月7日5:41PM

逮捕時の様子を撮影した動画。(提供/OnenessTV)

 関西の脱原発を支持する人々から「モジモジ先生」の愛称で親しまれる下地真樹・阪南大学准教授ら二人が一二月九日、大阪府警公安第三課に逮捕された。いずれもがれき広域処理反対運動の支柱的存在だ。

 大阪市では「3・11」震災がれきの広域処理をめぐり、反対運動が高まりを見せる中、「被災地復興はがれきの広域処理から」とする大阪市と反対派との溝が埋まらないまま、ついに多くの逮捕者を出す事態になった。

 がれき広域処理反対派の多くは脱原発・関西電力前での抗議行動のメンバーと重なる。相次ぐ逮捕劇はこの関電前抗議の一〇月五日から始まる。

 最大の逮捕者を出したのが橋下徹大阪市長の進める震災がれきの試験焼却に向けた住民説明会開催(一一月一三日)の此花区民ホールである。女性を含む四人が逮捕、うち三人は今月四日に起訴された(一人は釈放)。逮捕の様子はOne

nessTVが撮影している。金井塚康弘弁護士は「警官が指さし確認、無抵抗の市民を指名逮捕した。場所も区民センターの誰でも入れるオープン・スペース。明らかな不当逮捕だ」と指摘する。

 逮捕された四人は大飯原発前監視テント、大阪市役所前監視テント、がれき広域処理反対運動、関電前逮捕者支援の中心的人物として知られる。目撃者からは、現場には二〇〇人を下らない警官がおり、最初から各運動のリーダー格を狙った逮捕との声が上がっている。

 大阪府警は本誌の取材に「市職員の通報で府警と此花署合わせ約一〇〇人の警官を、さらに機動隊を一〇〇人、延べ二〇〇人を投入した。指さしはあくまで現場でその場の首謀者を確認し行なったもの」と説明した。

 これで一〇月からの逮捕者は計八人に上り、その多くは「3・11」以前にはいかなる運動とも無縁だった人たちである。市民の反対の声や行動を公安警察権力を使って封じ込める構図は、戦前・戦中と同じではないか。

(真野きみえ・ライター、12月14日号)

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