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維新の会が「最低賃金制の廃止」「解雇規制の緩和」を公約に――党内の矛盾次々と明らかに

2012年12月14日3:29PM

橋下徹氏を支持する若者たちは今回の公約を知っているのか……。(撮影/横田一)

「日本維新の会」の石原慎太郎代表と橋下徹代表代行ら大阪サイドの食い違いが日を追うごとに目立ち始めている。一一月二九日に発表された政権公約「骨太2013―2016 日本を賢く強くする」には「労働市場を流動化させる」とした上で、「最低賃金制の廃止」「解雇規制の緩和」を盛り込んだ。橋下徹代表代行は「政策実例は公約ではなく、議論の叩き台。公約ではない」と予防線を張っているが、政権奪取時に実現される可能性のある政策を集めた“準公約”であることには変わりはない。

 しかし、石原代表は翌三〇日の会見で、貧困問題を長年取材している田中龍作氏が「賃金が下がることに歯止めがかからなくなる」と質問すると、「それはまずい」「大阪の連中が一生懸命考えた。考え直さないといけない」と答えた。

 最低賃金制度は、国が賃金の最低限度を決め、事業主がその金額以上の賃金を労働者に支払わなければならない制度。同制度が、不当に低い賃金から労働者を守る役割を果たしていることを石原代表が認めたのだ。

 小泉純一郎政権時代に新自由主義路線を進めて格差拡大を招いた竹中平蔵氏が維新の会のブレーン。同氏が今回の政策立案に関与していることを指摘されると、石原代表は「竹中というのは好きじゃない」「(橋下氏らに)『あまり竹中を信じるな』と言っているが、神様みたいになっている」と暴露した。

 もともと維新の会と合併した太陽の党(旧・たちあがれ日本)は、「郵政民営化は対米追随」などと批判した平沼赳夫氏ら新自由主義的政策に批判的な議員集団だ。本来、基本政策で一致できるはずがない“水と油”のような政党同士が強引に合併した結果、原発政策を含めて埋めがたいギャップが次々と明らかになっている。このまま“野合政党”として有権者の審判を仰ぐのか、それとも政策協議を再度進めてギャップを埋めるのかが注目される(関連15ページ)。

(横田一・フリージャーナリスト、12月7日号)

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