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ロヒンギャへの迫害訴え世界各地で抗議行動――在日ビルマ大使館は拒絶か

2012年12月11日6:26PM

僧侶が迫害に加わっている写真を手に抗議するロヒンギャ。(撮影/冨田きよむ)

閉じられたビルマ大使館のポストに要請文を投函するキン・マン・ミン氏。(撮影/冨田きよむ)

 ビルマ(ミャンマー)におけるイスラム系少数民族・ロヒンギャに対する差別、迫害問題は今後ビルマの民主化に大きな影を落とすことになるだろう。

 ビルマ西部のラカイン州(旧アラカン州)でイスラム教徒が今年六月、仏教徒の女性を暴行の上、殺害したとして、仏教徒によるロヒンギャへの大規模な迫害・衝突が始まった。衝突は一〇月二一日から激しさを増し、多数の死傷者と避難民が発生。多くのロヒンギャの住居が焼失している。ビルマ政府はロヒンギャへの迫害を事実上無視し、放置してきた。

 世界各地(ビルマ、イギリス、日本、オーストラリア、ドイツ、タイ、デンマーク、オランダ、ノルウェー、マレーシアの一〇カ国)のロヒンギャ団体が、一一月八日を Global Action Day として抗議行動を実施。各国の外務省などに対し、国際社会のロヒンギャ救済と、ビルマ政府に対して人道的対応を迫るよう求める要請行動をいっせいに行なった。在日ビルマ大使館前に集まったのは一九人だった。

 在日ビルマ・ロヒンギャ協会のキン・マン・ミン氏は、虐殺された遺体(幼児を含む)や焼き討ちにされた住宅などの写真を示しながら、「われわれは多くを要求していない。人間として認めてくれと言っているだけ。この不当な暴力を止めてほしい」と訴えた。

同氏は要請文を大使館員に直接手渡そうと、インターフォンを何度も押したが反応はなかった。在日ビルマ大使館の鉄の門扉は自国難民に対して固く閉じられている。

(冨田きよむ・フォトジャーナリスト、11月23日号)

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