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海自護衛艦「しらゆき」でも隊員虐待――札幌地裁が国に賠償命令

2012年10月23日5:40PM

 護衛艦しらゆき(山本勝也艦長=事件当時)艦内で先輩隊員から暴行を受け心的外傷後ストレス障がい(PTSD)を負ったとして元海上自衛官Aさんが国を相手に起こしていた国家賠償請求訴訟で、札幌地裁(石橋俊一裁判長)は九月二一日、一五〇万円の支払いを国に命ずる判決を下した。

 しらゆきは海上自衛隊横須賀総監部(吉川榮治総監=事件当時)の所属で、事件は二〇〇五年夏から秋にかけて起きた。横須賀ではおりしも護衛艦たちかぜ(落修司艦長+当時)の新隊員虐待・自殺事件が問題になっていた。たちかぜで虐待の調査や対策がなされている一方で、別の艦では虐待が進行していたわけだ。

 判決によれば、原告のAさんは〇五年に一般隊員の枠で海上自衛隊に入隊、2等海士としてしらゆきの砲雷科・射管(射撃管制装置)部署に配属された。以後、艦内で生活しながら仕事を覚えていたところ、先輩士長や3曹から次の暴行や暴言を受けたという。

 ▼見張りを交代する際、規定時間より早くこなかったのがよくないとして、安全靴で両すねを三回蹴られアザができた▼同僚と一緒に記録していた作業日誌について、同僚のつけ忘れを理由に腹や足を拳骨で殴られた▼舷門(停泊中の艦の出入り口)当直の際、マイクを使った号令の口調が「人を見下したようだ」として足を蹴り、胸を拳で殴り、ヘルメットで頭を叩かれた▼当直の引き継ぎを誤り寝ていると、後部甲板に連れていかれ、足払いをかけられ、座り込んだところを平手で顔を殴られ、腕や足や頭を蹴られた▼海に流した段ボール紙を双眼鏡で追尾する訓練中、見失ったと報告すると、後頭部を殴られ双眼鏡に目を打ちつけた▼「役立たず、すぐに辞めてしまえ」との暴言を浴びせられた。

 訴訟の中で自衛隊側は暴力を否定。だが、元同僚の目撃証言などもあり札幌地裁は国の主張を退けた。一方で暴力とPTSDとの因果関係は否定しており、原告側(代理人・市川守弘弁護士)はこれを不服として控訴を検討中だ。

(三宅勝久・ジャーナリスト、10月5日号)

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