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「核戦争防止国際医師会議」が勧告書を提出――子どもや女性は福島から避難を

2012年10月2日5:50PM

 核兵器と原発の廃絶を訴えている「核戦争防止国際医師会議」はこのほど、共同代表のティルマン・ラフ准教授(メルボルン大学)ら三〇人の医師や学者が福島県を視察した後、「年間一ミリシーベルト以上の被曝をしている子どもや妊娠可能期の女性に対する移住支援」等を求めた勧告書を発表した。

 さらに、同「会議」の母体である「社会的責任を果たす医師団」の創立者で、世界的に著名な医師であるオーストラリアのヘレン・カルディコット博士も八月に「放射能汚染下における日本への一四の提言」と題する文書を発表。そこでも同様に、「高線量放射能汚染区域にまだ居住しているすべての人々、特に子ども、妊婦や妊娠が可能な女性は、ただちに日本国内の放射能汚染がない場所へ避難してもらうべき」と強調している。

 博士は、(1)日本国内全土の土壌・水の放射能検査実施(2)放射能を帯びたゴミ・瓦礫の焼却無条件禁止――等も求めているが、政府は現在も勧告をすべて無視した形だ。「計画的避難区域」を年間二〇ミリシーベルトに達するおそれがある区域と設定し、それまでは「居住は安心」として、子どもたちや妊婦の避難を拒否している。

 だが一方で、福島県内の子どもたちの健康悪化が懸念されている。福島県が実施中の一八歳未満の全県民甲状腺検査では、嚢胞・結節ができて何らかの異常が認められる割合は今年三月発表で三五・八%だったが、八月発表では四三・六%に上昇。こうした数値は他県平均の約四〇~五〇倍に達し、さらに八月の二次検査で一人に甲状腺がんが初めて発見された。

 検査を担当した福島県立医科大学側は「放射線の影響とは考えられない」としているが、一八歳未満の甲状腺がんはきわめて珍しい。国際的に広がる声を無視し、子どもたちや妊婦を「放射能汚染区域」に放置し続けている政府の姿勢が改めて問われそうだ。

(成澤宗男・編集部、9月21日号)

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