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大飯原発再稼働なしでも夏のピーク乗り切れた――「電力不足」のウソが明確に

2012年9月5日4:30PM

 猛暑が続く中、「大飯原発三号機と四号機(合計出力は二三六万キロワット)の再稼働をしなくても電力不足には至らなかった」という結果が出た。今夏の関西電力管内の最大電力需要は二六八一万キロワットで、関電が想定した二九八七万キロワット(二〇一〇年猛暑を基にした予測値)に比べて三〇六万キロワットも少なかった。

「大飯原発の再稼働をしなくても電力不足にならないことは政府が五月一八日に出した報告書に書いてあった」と指摘するのは「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長だ。「節電と他社融通などで需給ギャップを埋めることが可能と政府が認めたのに野田首相は『電力不足になる』と言って再稼働をした。日本語が読めないか、理解できないとしか考えられない」。

 飯田氏がメンバーだった大阪府市エネルギー戦略会議でも、関電とともに「原発再稼働なしで今夏の電力需給逼迫を乗り切る計画」を策定、具体化への作業を五月二九日まで進めていた。橋下徹大阪市長が再稼働容認発言をしたのはこの直後だ。

 関電が五月一五日の同会議に提出した資料をみると、確実な電力供給量は二五四二万キロワット(内訳は火力一四七二万、他社融通六四四万、揚水二二三万、水力二〇三万各キロワット)に対し、最大電力需要予測は二九八七万キロワット。需給ギャップは四四五万キロワットだったが、これを周辺の電力会社から余剰電力を回してもらう「他社融通」の上乗せ(最大一六二万キロワット)や自家発電の活用、節電の徹底などで埋める対策が列挙されていた。会議の冒頭で関電の副社長が「停電はしません」と宣言をしたのはこのためだ。

 実際の電力需要は、関電の予測を大幅に下回り、需給ギャップは三分の一以下の一三九万キロワットにすぎなかった。再稼働分(二三六万キロワット)がなくても凌げたということだ。

(横田一・フリージャーナリスト、8月24日号)

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