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もはや「自民党野田派」となった政権――増税が国土強靱化の口実に

2012年8月1日6:03PM

「消費税研究会」で話す民主党の福島伸亨衆議院議員(右)。(撮影/横田一)

 消費税増税法案に造反したものの民主党に残った鳩山由紀夫元首相らが結成した「消費税研究会」が一〇日に開かれ、経済産業省出身の福島伸享衆議院議員が三党合意の問題点について、説明をした。

 問題の条文は、新二項。一項で「名目成長率三%」の数値目標を掲げ、続く二項で経済状況の好転を増税の条件としていたが、その間に要旨として「税制の抜本的改革等で財政による機動的な対応が可能となる中、我が国の需要と供給の状況、消費税引き上げによる経済状況を踏まえ、成長戦略や自然災害の分野に重点的に資金配分する」という項目が入ったのだ。

 こうした“霞ヶ関文学”を分かりやすく説明すると、「消費税増税で税収が上がるのだから、他で余裕のある財源ができる。一方、増税は景気に悪影響を与えるから、それを補填するために国土強靱化などの公共事業に重点的に予算を配分する」という意味だと福島氏。

 橋本(龍太郎)政権の一九九七年に消費増税で不況になり、何度も大規模な公共事業(バラマキ)をしたが、景気は回復しなかった失敗を繰り返そうとしている。福島氏は官僚の友人の話も紹介した。

「役所内に国土強靭化のためのプロジェクトチームができた。この間、自民党に呼ばれて説明に行ったら、二階俊博衆院議員や古賀誠衆院議員がずらりと並んでいて、二〇年経っても時代は変わらないと改めて実感した」

 自民党族議員が復活したのはなぜか。福田昭夫衆院議員はこう指摘した。「野田佳彦総理が前原誠司政調会長に『自民党案を基本として修正案をまとめてくれ』と指示したため、自民党案丸呑みとなった。野田総理の責任は非常に大きい。参院では『野田総理は自民党に行った方がいい』と追及すべき」。

 党内では「自民党野田派」と揶揄され始めたが、野田首相は民主党を自民党に売り渡した“売党奴”と言われても仕方がないだろう。

(横田一・フリージャーナリスト、7月20日号)

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