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ワタミ、東電など10社ノミネート――ブラック企業を世に!

2012年7月30日5:38PM

 劣悪な労働環境を社員に強いる「ブラック企業」。その実名を世に広く知らしめる初の試みについての説明会が、七月九日に厚生労働省内の記者クラブで開かれた。

「ブラック企業大賞2012」と冠されたこの賞は、労働組合、弁護士、NGO、NPO、ジャーナリストからなる実行委員会の推薦により挙げられた約五〇社の中から、過去数年の間に労働問題で行政処分や司法によって裁かれた一〇社がノミネートされている。

 ノミネート企業には、「ワタミ」「ウェザーニュース」「すき家(株式会社ゼンショー)」「SHOP99(現ローソンストア100)」「すかいらーく」「フォーカスシステムズ」「陸援隊、ハーヴェスト・ホールディングス」「丸八真綿」「富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ」「東京電力」の名前が挙がっている。各企業が選ばれた理由はさまざまだが、過労死、残業代の不払い、巧妙なリストラ工作など、内容的にも悪質さが際立つ。

 実行委員の一人で首都圏青年ユニオンの書記長を務める河添誠氏は「最近の若い人からの相談で多いのが、会社を辞めるに辞められないということ。一方で若い人の離職率は高い。一見、矛盾するようだが、理由がある。過酷な労働条件の中、本当は会社を辞めたいが、失業しても充分な失業給付が受けられない。非正規雇用では職業的なトレーニングを受けるチャンスが完全に奪われ、将来の展望が望めないから、ギリギリまで正社員としてしがみつくしかない。それでも離職率が高いのは、それだけブラック企業が多いということでもある。ブラック企業と非正規雇用の問題はちょうどコインの裏表、一体の問題」と述べた。

 大賞は、七月二八日に田町交通ビルで行なわれる授賞式で発表される。当日は授賞式の後、実行委員会のメンバーによる「ブラック企業にだまされるな!」と題したシンポジウムが開催される。実行委員会のウェブサイトでは、一般投票も受け付けている。詳しくは http://blackcorpaward.blogspot.jp/

(頓所直人・フリーライター、7月20日号)

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