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事故発生率が高いオスプレイ――米国では内部告発も

2012年7月17日5:34PM

 在日米軍が一〇月から沖縄・普天間基地で本格運用すると通告している新型輸送機オスプレイの安全性に関し、米国内では軍が意図的に事故を過小評価しているのではないかとの批判が出ている。

 海兵隊はオスプレイについて、飛行・離陸時のトラブルについてしか重大事故を意味する「クラスA」(死亡者が出たかあるいは恒久的全体的損傷)にカウントしていない。二〇〇六年三月にノースカロライナ州の海兵隊基地でオスプレイが滑走路で突然浮上し、右主翼とエンジンが大破したが、「クラスA」から除外された。この基準のため、米国の軍事技術専門誌『ワイアード』昨年一〇月一三日号(電子版)によれば、過去一〇年間で発生した一〇件以上の重大事故につながる可能性があったトラブルのうち、「クラスA」として記録されたのはわずか三件とされる。

 海兵隊はオスプレイの「クラスA」事故発生率を過去一〇年以上にわたり一〇万飛行時間で一・二八%と公表。他の海兵隊運用機の平均二・六%より低いと宣伝しているが、この数字は信憑性が薄い。〇九年になって、それまで事故の修理費を金額で換算する指標を「クラスA」については一〇〇万ドルから二〇〇万ドルに引き上げたため、発生率を人為的に低下させる結果になっている。さらにこの数字は空軍が運用する同機の事故を含んでおらず、『ワイアード』誌によれば空軍分をカウントすると事故発生率は約三倍になる。

 同誌は、海兵隊のオスプレイは実戦配備後一五機に一機の割合で「破壊または重度の燃焼事故」が発生し、大部分は修理して運用されていると分析。目立つのはエンジントラブルだが、公式記録から多くが除外されている。実戦配備後に初めて死者の出た二〇一〇年のアフガニスタンでの空軍機墜落事故では、現場の事故調査責任者が映像などからエンジントラブルが原因と推定したが、空軍上層部からの圧力で「パイロットの操縦ミス」に結論が変えられたと内部告発する騒ぎも起きている。

 政府はオスプレイの安全性について海兵隊の言い分を繰り返すだけだが、独自の調査が必要だろう。

(成澤宗男・編集部、7月6日号)

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