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レンジャー部隊の訓練中止を――練馬区民ら申し立て

 顔に迷彩色顔料を施し、迷彩服・鉄帽姿で小銃・銃剣を装備した陸上自衛隊のレンジャー部隊が六月一二日の日中、東京都内の市街地で「行進訓練」を予定していることに対し、練馬区民らは四日、「平和的生存権と生命・身体、平穏に生活する権利を脅かす違憲行為」として同訓練の禁止を求める仮処分を東京地裁に申し立てた。一一日に判断が示される見通し。

 同訓練は、陸自第一普通科連隊(隊長=石井一将・一等陸佐)から四月八日に板橋区長と練馬区長、三カ所の関係警察署長あてに通知された。通知によると、レンジャー訓練生三〇人は一二日早朝に東富士演習場から中型輸送ヘリで発ち、午前八時から八時三〇分の間に板橋区の荒川戸田緑地に到着。迷彩服で小銃携帯などフル装備で河川敷から一般道に入り、練馬駐屯地に至る約六・八キロメートルを二列隊列を組み行進する。

 経路には都営三田線の西台駅前や東武東上線の東武練馬駅前、商店街や住宅地も含まれ、通勤通学の時間帯に当たるため、地域住民から抗議と不安の声が上がった。

 今回の訓練コース近隣に住む申立人らは第一回審尋期日の五日に東京地裁内の司法記者クラブで会見を開き、「昭和一ケタ生まれだが、こういうことを一度許したらエスカレートする」「訓練は住民に周知されておらず、安全対策が不十分」「陸自は市街地やアスファルトに慣れさせることが訓練の目的だと言うが、理由にならない。なぜ武器を持って街を歩く必要があるのか」などと訴えた。

 代理人の種田和敏弁護士は「このような訓練はベトナム戦争時以来四十数年ぶりだが、白昼堂々、人口の密集する市街地での武装行進はなかった。許してはならない」と述べた。

(本誌編集部、6月8日号)

異常数値が出る子どもを放置――山下氏の指示を黙認する政府に怒号

「誰のために仕事をしているのか」と、政府側に怒りを向ける福島からの避難者。(撮影/田中龍作)

「放射能を年間一〇〇ミリシーベルト浴びても安全」などと、数々の問題発言を繰り返して福島県民の不信を買っている「県民健康管理調査」検討委員会の山下俊一座長が、子どもの甲状腺再検査を封じている問題で六月一日、衆院議員会館内で政府交渉が開かれた。

 県ではこれまで、一八歳以下の県民三万八一一四人の甲状腺検査を実施したが、うち三五・三%にあたる一万三四六〇人に五ミリ以下の結節や二〇ミリ以下の嚢胞が認められた。さらに五・一ミリ以上の結節や二〇・一ミリ以上の嚢胞が認められたのは一八六人に上り、二次検査の対象となった。

 ところが山下座長は今年一月、日本甲状腺学会会員に対し、この一万三四六〇人は「細胞診などの精査や治療の対象とならない」という理由で、事実上次の二年半後の検査まで保護者の追加検査の要求には応じないよう指示した。

 このため県内では、「なぜ二年半もの間、成長期の子どもの検査を求めないのか」といった批判が出ている。これを受け、環境団体FoE Japanなど市民団体が中心となり、政府の原子力災害対策本部生活支援チームの医療班員を招いて交渉することになった。

 交渉には、福島からの避難者ら三〇〇人が参加。席上、市民側が「異常が出ること自体おかしいのに、なぜ一万三四六〇人もの子どもたちを『異常なし』とし、経過観察もないまま二年半も放置するのか」「山下座長のセカンドオピニオンを封じるような指示は撤回させるべきだ」など、一八項目に上る質問や意見を突き付けた。

 これに対し政府側は、「国として答える立場にない」「専門的なところは県の検討委員会で進めている」といった回答に終始。山下座長の行為についても無視を決め込んだ。このため、会場から「無責任だ」「子どもの命がどうなってもいいのか」といった怒号が飛び、一時騒然となる場面もあった。

(成澤宗男・編集部、6月8日号)