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日本人遺骨問題で新提案――宋日昊・国交正常化大使が面会

2012年5月22日1:04PM

日朝関係の改善と日本人妻の里帰りに積極姿勢を示した宋日昊国交正常化担当大使。(撮影/伊藤孝司)

 四月一六日、朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の宋日昊・朝日国交正常化交渉担当大使が、日本の元国会議員らによる訪朝団の求めに応じて面会した。平壌市内のレストランで、宋大使は日朝間の諸課題について二時間にわたり雄弁に語った。

 宋大使は最初に「朝日関係改善は両国人民の利益に合致するばかりでなく、北東アジア地域の平和と安定・発展に資するもの」との基本姿勢を表明。その上で、日本との忌まわしい歴史を一掃することなしに、実務的・技術的に外交関係を結ぼうとしても関係改善はできないと明言した。

 宋大使はまた、民主党の中井洽衆院予算委員長(元拉致問題担当相)との四回にわたる会談の内容を明かした。まず、一九五九年から始まった帰還事業で朝鮮へ渡った日本人妻の里帰りについては「わが政府は里帰りをさせようという立場。問題は、日本政府が二〇〇六年から制裁を実施したことで、朝鮮の国籍所持者である日本人妻の入国を自ら禁止していることだ」と語った。

「よど号」グループについては、「わが国の『亡命法』に基づいて保護しており、『日本へ帰れ』とは言えない状態である。ただ、日本政府が平壌で彼らと話すというのであれば便宜を図る」とした。

 朝鮮半島北側地域で、朝鮮建国前に旧ソ連によって留め置かれて亡くなった日本の民間人・軍人の遺骨問題では、具体的な提案も。

「最近、日本人墓地が各地で発見された。肉親が墓参のために訪朝を希望するのなら受け入れる。それは、日本政府からだけでなく個人の申請でも構わない」と話した。

 今回、宋大使が中井議員との会談内容を公表したのは、中井議員とはもはや交渉しないとの表明である。そして、日本人遺骨や日本人妻の里帰りといった人道的な課題を、日朝関係改善の糸口にしたいというメッセージと思われる。

(伊藤孝司・フォトジャーナリスト、5月11日号)

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