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【韓国】大統領選へ不安のこす朴槿恵氏――セヌリ党が予想覆し単独過半数

2012年5月8日11:00AM

 韓国で四月一一日、四年に一度となる総選挙の投開票が行なわれ、三〇〇議席(小選挙区二四六、比例代表五四)のうち、保守与党セヌリ党が一五二議席を獲得。劣勢との事前の予想を覆し、単独過半数を確保した。一方、総人口の半数が集中するソウルなどの首都圏では革新系の野党候補が圧勝。無党派層の多くが保守陣営に批判的であることを示した。

「党を信じ支持してくれた国民に感謝します」。総選挙から一夜明けた一二日、セヌリ党のトップを務める朴槿恵選挙対策委員長は、記者会見で支持者への謝辞を述べた。現有の一六二議席よりは減らしたものの、過半数の確保にメディアは「大逆転勝利」(朝鮮日報)などと報じ、韓国初の女性大統領を目指す朴氏が、大統領選に向けた足場固めに成功したと記した。

 朴正熙元大統領の娘として高い知名度を誇る朴氏は、総選挙の公認選びで多選議員を引退させ、多くの新人を抜擢することで党改革をアピール。不正事件などで窮地に陥った党を立て直した「救世主」として党内をほぼ完全に掌握した形だ。

 最大野党の民主統合党は、李明博政権下で社会格差が拡大、雇用も悪化したと主に経済政策を批判し、政権への審判を争点に掲げた。だが、李大統領と距離を置き、社会福祉を充実する政策を打ち出したセヌリ党を前に、思った以上の支持が伸びず、議席を伸ばしたものの与野党逆転には至らず、韓明淑代表が辞任するに至った。

 だが、首都圏一一二議席のうち、セヌリ党が獲得したのは四三議席。首都圏の無党派層は反保守の傾向があり、インターネットを通じた情報発信にたけており、投票率が上がると野党側に有利に働くとの見方が一般的だ。

 大統領選は議員選挙より投票率が高くなるため朴氏にとっては脅威となる。また、セヌリ党地盤の南部釜山では、故盧武鉉前大統領の秘書室長だった文在寅氏が民主統合党から出馬して当選するなど、保守地盤に風穴をあけたのも注目だ。野党の大統領候補には、文在寅氏のほか、若者を中心に人気の高い安哲秀ソウル大教授への期待感が高く、一二月の大統領選を控え、各党の候補者選びなど、韓国政界は動きが一層慌ただしくなる季節を迎える。

(北方農夫人・ジャーナリスト、4月20日号)

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