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福島で「被害者支援法」制定求める集会

健康調査について話す阪上武さん。(写真/満田夏花・FoE Japan)

 長引く原発事故の影響を踏まえ、健康影響の回避のための管理体制の構築や、避難者や影響地域にとどまっている住民を支援するため、「原発事故被害者支援法」の制定を求める集会が3月3日、福島で開催された。主催は国際環境NGO FoE Japanおよび福島老朽原発を考える会の2団体。

 福島老朽原発を考える会の阪上武さんは、福島における県民健康調査は、目的が「不安解消」にあり、放射線の影響が少ないことが前提となっている点、甲状腺がん以外の疾病が考慮されていない点などを指摘。内部被曝を個別に把握し、被曝低減策を行なうことを提言した。筆者は、広く選択的避難区域を設定し、生活再建支援や保養プログラムなど、避難者・在留者双方を支援する政策の必要性を訴えた。

 弁護士の福田健治さんは、避難権・移住権・帰還権などを踏まえた支援策、健康管理手帳の配布や医療費無料化などを内容とする「被害者支援法」の提案を行なった。

 参加者からは、避難者が事業を起こす際の低利融資提供などの支援、子ども・妊婦のみならず若い女性への配慮、将来の健康影響に備えて今何をすべきか、などについての議論が交わされた。参加者の一人で、郡山市から静岡県に避難した男性は「これは自分たちの問題。当事者として立法化にむけて取り組んでいきたい」と語った。

(満田夏花・FoE Japan、3月9日号)

米国で沖縄の構造的差別訴え――稲嶺名護市長が訪米報告

「海にも陸にも基地を造らせない」という姿勢を貫く稲嶺進氏。(撮影/渡瀬夏彦)

 普天間飛行場の辺野古移設実現に固執する日本政府に対し、一貫して拒否の姿勢を貫いている名護市の稲嶺進市長は二月二七日、名護市主催の訪米報告会の場で、あらためて「辺野古基地建設反対」を訴えた。

 会場の市民会館大ホールには名護市民や県内各地から駆けつけた人々が、稲嶺市長および同行した玉城デニー衆院議員(民主)の報告に聞き入った。

 稲嶺市長らは二月六日~一〇日、米国ワシントンを訪問。国務省、国防総省、米国連邦議会(上・下院)議員や関係者(軍事委員会、歳出委員会、財務委員会、外務委員会)、シンクタンク等、計二〇人と会談し、講演会や記者会見などを行なった。

 稲嶺氏は「地元の市長が来たということで関心は高かった。(普天間移設問題は)日本国内の問題ではないか、という声もあったが、それに対しては、一六〇九年の薩摩侵攻以来の沖縄の歴史を話し、沖縄を犠牲にすることで繁栄を享受してきた日本による構造的差別が今もずっと続いている、と話した」「米国では『抑止力』とか『沖縄の地理的優位性』とかは問題になっておらず、財政問題が大きな比重を占めていることがわかった。抑止力論もパッケージ論も根拠を失っていることを実感した」などと報告。

 会場の県内大学生から「日本と米国の認識の違いはどこからくるのか」という質問が出ると、稲嶺氏は「日本には軍事専門家がいないと言われた。五年の間に首相が六~七人、防衛大臣が九~一〇人も替わるような国とはまともに話ができない、ということだ。日本は米国に対して情報提供していない。私たちは米国に対しても本土に対しても、正確な情報を提供していくことが必要だ」と回答。

 また「市民に約束した『海にも陸にも基地を造らせない』意思を貫き通してきたが、日米両政府は改めて辺野古へのV字案を確認。たくさんの大臣が『理解を得る』として沖縄入りしたが、名護まで来た人は一人もいない。嘉手納あたりに大きなバリアがあるらしい」と皮肉り、笑いを誘った。

(浦島悦子・フリーライター、3月9日号)