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杉並・里子虐待死、都議会で質疑――石原都知事「最悪の結果」

 東京都が養育を委託措置していた三歳女児を虐待死させたとして、杉並区の里親で元声優の女性(当時四二歳)が傷害致死容疑で逮捕・起訴された事件が三月一日、開会中の都議会定例会本会議の一般質問で取り上げられた。

 質問したのは民主党の松下玲子都議。(1)国通知が死亡事例の検証時期について「発生後、準備が整い次第、速やかに開催する」と規定しているのに対し、都が児童福祉審議会に事件検証を依頼したのは、女児死亡一年後の里母逮捕の後だった理由、(2)里親に養育委託後、里子が安全な生活を送っているかどうかの現場確認や里親の養育支援を十分に行なっているか、(3)女児の不正出血について「原因不明」のままで、セカンドオピニオンを取らなかった理由――などを質した。

 杉村栄一都福祉保健局長は「事件発生後、杉並児童相談所は保育園、医療機関から可能な限りの情報収集を行ない、内部検証を実施したが、虐待の有無など死亡に到った経過の事実把握が困難だった」と弁明。里子の実生活での安全確認については「委託後一年以内に家庭訪問している」と述べるにとどまり、杉並の事件では女児の自立支援計画策定は里親宅で行なったが、その後は電話での経過確認しか行なっていなかった事実には言及しなかった。

 都は改善策として、二〇一二年度から(1)すべての里子の心理面接を定期的に実施、(2)夜間・休日の里親からの相談受付実施、(3)定期的な里親宅訪問を行なうと表明した。一方で、女児の性器からの出血については答弁しなかった。

 石原慎太郎都知事は答弁の中で「最悪の結果。多くの養育家庭の労苦や努力を無にしてはならない」とした。

(小宮純一・フリージャーナリスト、3月9日号)