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セクハラと闘う労働組合――パープル・ユニオン結成

「女性であるだけで職場で繰り返される不当な扱いを許さない」とセクシュアル・ハラスメントやパワー・ハラスメント、賃金差別などの問題に取り組む、働く女性のための労働組合「パープル・ユニオン」が二月二六日、東京都内で結成総会を行なった。

 執行委員長の佐藤香さんは、「私自身セクハラの被害者。これは個人の問題ではなく社会問題だと気付いた。セクハラが労災申請できることを知らないという声が多い。同じ思いをしている人のためにも組合を通して現状を変えていきたい」などと抱負を語った。

 佐藤さんは北海道の大手通信企業で派遣社員として働いていた二〇〇三年頃、上司からセクシュアル・ハラスメントを受けた。派遣切りを恐れて機嫌を損ねないよう遠回しに拒否すると「お前の代わりはいくらでもいる」と今度はパワー・ハラスメントが始まった。

 心療内科で精神疾患と診断されたが、労働基準監督署では「セクハラの判定は難しい」と労災は不認定。労働局への審査請求も東京の労働保険審査会への再審請求も棄却されたため、一〇年一月に労災不認定の取り消しを求め行政訴訟を提起。労災認定基準を変えるよう議員や厚労省へも働きかけた結果、同年一一月、判決を待たずに国は労災を認定し、一一年二月に休業補償の一部支給を認めた。

 このことがきっかけとなり厚労省はセクハラによる精神疾患を労災と認めるよう認定基準を見直した。これは前進だが、労災認定の判断対象を「発症前六カ月以内の出来事」とする点は変わっていない。発症は初診日とされることが多く、受診前の行為は判断されるが、その後の嫌がらせやフラッシュバックについての考慮がなされないことになる。

 佐藤さんは「まだ改善すべき点がたくさんある。労災の入り口は広がったけれども相談窓口での二次被害もあるし認定後のケアも十分ではない。潜在化していた声をひろいあげていくのがこれからの課題」などと話した。

 同ユニオンは職種や雇用形態を問わず、会社の組合に加盟していても加入できる。団体交渉や裁判などの支援や相談業務を行なう。電話相談は月・水・金の一四時~二〇時 TEL 03・5689・7040

(宮本有紀・編集部、3月2日号)