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「言うだけ番長」はぴったり!?――前原氏『産経』会見から締め出し

 前原誠司政調会長は「言うだけ番長」と繰り返し報じた『産経新聞』に対し二月二三日、「事実に基づかない」と抗議、会見に同社の記者が参加することを拒否した。

 しかし環境問題の関係者の見方は「前原氏の言動からすると、『言うだけ番長』という呼び名はぴったり」というものだった。元環境省職員で「泡瀬干潟大好きクラブ」代表の水野隆夫氏はこう話す。

「政権交代直後の二〇〇九年一〇月、前原国交大臣兼沖縄担当大臣は沖縄を訪問し、県内最大の貴重な『泡瀬干潟』(沖縄市)の埋め立て予定地も視察しました。そして『経済合理性を厳しくチェックする。一期工事は中断、二期工事は中止』と言ったのに、翌年の一〇年八月、埋め立て工事の再開を認めてしまったのです」

 前原氏の二枚舌的対応は、普天間移設問題でも同様だ。今では、名護市の辺野古埋め立て案(現行案)を推進する前原氏だが、三年前は「あのきれいな海を埋め立てるのは駄目だ。深さがあるので時間も金もかかる」(『琉球新報』〇九年三月五日付」)と埋め立てに反対。政権交代直後の視察でも「新たな移設先の再検討と実施が必要」と見直しを表明した。

 極め付けは、マニフェストの目玉政策の「八ッ場ダム中止」の撤回。今本博健・京都大学名誉教授(河川工学)は「“A級戦犯”は前原・元国交大臣」と振り返る。

「政権交代直後、私は前原氏と大臣室で会い、『ダム計画を検証する有識者会議を作るのはいいが、委員の人選だけは国交省に任せるな』と言いました。しかし助言は受け入れられず、官僚の筋書き通りに事は進んだ。有識者会議は御用学者で占められ、議論も非公開で、案の定、『建設再開が妥当』との結論が出た。官僚の掌で踊らされていたことに、前原氏は最終段階になって気がついて抵抗したが、結局押し切られたのです」

 八ッ場ダムや普天間移設や泡瀬干潟問題に目を向ければ、「言うだけ番長」との指摘は、正鵠を射ている。この程度の批判で記者を締め出すのは、「会見公開」の党の方針に反し、より過激な表現をする週刊誌をそのうち排除するとの警告とも受け取られかねない。厳しい批判でもまずは受け止め、事実無根だと言うのならば、会見で反論する度量が前原氏には必要だ。

(横田一・ジャーナリスト、3月2日号)