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4月1日の改正民法施行に伴い実施――離婚届に面会と養育費チェック欄

2012年2月21日4:58PM

 法務省は二月二日、離婚届の用紙に養育費と面会交流の取り決め状況をチェックする欄を設ける様式変更の民事局長通達を全国の法務局長に出した。面会交流や養育費分担を取り決めるよう明文化した改正民法が四月一日に施行されるのに伴い実施される。

 二〇一〇年人口動態統計によると、離婚件数は二五万一三七八件で、そのうち未成年の子どもがいたのは五八・五%だった。

 民法では、父母は親権の有無にかかわらず、離婚後も子どもの養育費の支払い義務があり、子どもは父母に養育費を請求することができると規定している。しかし、実際には養育費を受ける子どもはごくわずかで、取り決めすらしていないケースが大半である。諸外国と比べても、日本の養育費の支払い状況は極めて低く、母子家庭の貧困化が社会問題になっている。

 厚生労働省は五年に一度、全国母子世帯等調査を行なっているが、直近の二〇〇六年度調査によると、養育費の取り決めをしている母子世帯の割合は三八・八%で、現在も養育費を受けている母子世帯の割合はわずか一九%にとどまった。離婚時に養育費の取り決めがほとんど行なわれていないことが最大の要因だが、離婚届の用紙には職業や世帯構成を問う欄はあるが、養育費の取り決めの有無を問う欄はなかったため、離婚するカップルの多くが、養育費を離婚時に決めるものという認識に欠けていた。

 昨年六月の民法改正で、協議離婚において定めるべきものの具体例に、監護費用の分担、養育費の支払いが条文上明示されることになった。その法案審議で民主党の井戸まさえ衆議院議員が、「最も効果的な周知徹底の仕方」として離婚届用紙にチェック欄を設けることを強く求めていた。

 今回の改正は大きな一歩だが、養育費が確実に支払われるために、さらなる取り組みが必要だ。

 本来支払うべき人が支払わないことで、児童扶養手当や生活保護に頼らざるを得ない状況は、国にとっても負担が大きい。手厚くすべき人に十分に支払えないということにもなりかねない。なにより、子どもにとって「別れても自分のことを心配してくれる親」と思えることは、子どもの成長にとってとても大切なことなのだ。

(坂本洋子・mネット・民法改正情報ネットワーク、2月10日号)

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