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反対市民は年越し座り込み――防衛局「アセス」提出の失態

2012年1月24日6:17PM

 米国に普天間基地の辺野古移設計画が進捗している様を見せるため、野田佳彦政権が「年内提出」に固執した環境影響評価書(アセス評価書)。その山場となった昨年一二月二六~二八日、「基地の県内移設に反対する県民会議」は、沖縄県庁における評価書提出阻止行動を呼びかけた。

 市民団体や県議団、沖縄選出国会議員を含む三〇〇人以上が庁舎内外で監視行動を行なう中、沖縄防衛局は郵送で送付したと発表した。しかし二七日、民間運送会社にアセス評価書を運ばせたものの、庁舎入口で県職員らに説得され、引き返さざるを得なかった。

「あと一日で年内提出を止められる。頑張ろう!」と解散した人々がまだ眠っている翌二八日午前四時過ぎ、沖縄防衛局は県庁通用口から守衛室に評価書を搬入した。

 万が一に備えて通用口の近くに停めた車の中で仮眠していた県民会議事務局長の山城博治さんが物音に気付き、飛び出していって見たのは、段ボール箱を一つずつ抱えた二〇人ほどの防衛局職員と、それを指揮する真部朗局長の姿だった。「犯す前に犯すと言うか」発言で更迭された田中聡前局長に代わり、異例の再任となったばかりの真部氏は、東村高江で夜間や早朝の「奇襲」を繰り返し行なった常習犯だ。

 山城さんらは「なんてことをするんだ、やめろ!」と叫んで止めようとしたが多勢に無勢。一六箱は守衛室に運び込まれてしまった(アセス評価書は七〇〇〇ページ。法令により二四部の提出が必要)。

 号外を出した沖縄地元紙、NHKをはじめ全国メディアもこぞってこのニュースを報道。国家機関のコソ泥顔負けの醜態は瞬く間に知れ渡り、「奇襲攻撃」「闇討ち」「恥知らず」……ありとあらゆる悪罵と嘲笑の言葉が飛び交った。

 なおも残りの評価書を運び込もうとする防衛局と県民との攻防が暮れも正月もなく続き、インターネットで情報を得た人々が自主的に集まり、守衛室前の冷たい廊下で“年越し座り込み”となった。

 一月五日、防衛局は残りの八部を県庁に運び込んだが、二四部すべてに書類の欠落が見つかり受理要件を満たさなかった。六日、欠落分が追加提出され県は評価書を受理したが、仲井眞知事は評価書への知事意見に「県外移設」の公約を反映させる考えを示した。

(浦島悦子・フリーライター、1月13日号)

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